24話 戦況報告1
どうも、natakuです。二週間ぶりで、ごめんなさい。今回は、野中瀬備前守守保が初視点です。
―――時は数刻前まで遡る
《野中瀬備前守氏兼》
「―――というわけで、五郎左衛門殿は先鋒として、敵の戦い方を探ってきてください」
そう浅野五郎左衛門に言う。
「おうよ」
続いて、五郎左衛門の弟の藤右衛門に向き直り、
「次に、藤右衛門殿。藤右衛門殿には、敵の背後に回り攻撃を仕掛けていただきます。そうすることで陣形は崩れ、敵は特攻か降伏を申し出ることになります」
「成る程。わかり申した」
そして堤豊後守景昭に対して向き直って、
「そして、豊後守殿。貴殿には、五郎左衛門殿の部隊が崩れてしまったとき、救出に行っていただきます。」
「うむ」
「では各々方、武運を祈ります」
そして、わたしの作戦の成功も祈って。
それでは、時を戻そう―――
《天羽源》
「とんぼ隊、八日隊が浅野(兄)隊撃破とのこと」
「戦敗者は2名のみとのこと」
「とんぼ殿が浅野様を打ち取ったとのこと」
次々に伝令たちからの報告が入る。第一戦は、俺たちの勝利だ。
また、伝令が走ってくる。
「申し上げます。別動隊(陽炎・伝助隊)、敵の軍勢と接触しましてございます」
「敵の数は?」
「はっ。20ほどかと」
「わかった」
危なかった。陽炎たち別動隊を用意しておかなかったら、大変なことになっていたかもしれないな。
「又五郎!」
今は後続で部隊を休ませている又五郎に声をかけた。
「なんだ、源?」
「後ろのの部隊にも気を引き締めるように伝えてくれ。陽炎たちが敵と接触した。他にもいたら大変だろ?」
「その必要はないと思うぞ」
真幸がそういう。
「20も使っているのなら、もう人数を割く余裕がないだろう。俺はそう考えるが。」
「そうだな。でも、万が一には、備えといてくれ」
「おう」
「ああ」
伝令だ。
「申し上げます!新田、山田両部隊が堤豊後守様の軍勢とぶつかったとのこと」
「兵の数は?」
「30ほどかと」
俺は、隣にいたとんぼに声をかける。
「とんぼ、いけると思う?」
「う~ん、全滅は難しいかもね。相手は、剛腕で名の知れた豊後守だし」
「個人の武力か…」
「それに感もいいし」
「強いな…」
《野中瀬備前守氏兼》
伝令が走ってくる。
「どうした?」
「も、申し上げます!先鋒の五郎左衛門殿が打ち取られ総崩れになったとのこと」
「な、何!豊後守殿は?」
「はっ。敵の攻撃が思いのほか早く、間に合わなかったとのことです」
「そ、そうか」
くそう。天羽源、侮れない男だ。
「つきまして、豊後守様はいつ出陣するか、と申し上げております」
「今から行くようにと伝えよ。くれぐれも注意して行動するようとも伝えておいてくれ」
「はっ」
そう言って伝令兵が去ってゆく。




