23話 車懸り対連車輪7
どうもnatakuです。よろしければ、更新した活動報告見てください。Twitter作ったんでそこからいけます。
《浅野藤右衛門》
体重を後ろに預けて、斬蹴から身をかわす。攻撃るなら今!
「はぁぁぁ!」
「狼歩!」
手足を使って、崖を上るように空へと駆け上がられ逃げられる。
「くっ、待たたぬか!」
「流星立刀!」
木刀を足で挟み、回転しながらこちらに落ちてくる。なら、落ちてきたところを突くのが最善の手。
ドスン!!!!!!
砂埃が舞い上がる。ん?砂埃?おかしい。戦っていた場所は水辺なのに。泥ばかりだったはずなのに・・・。
「・・・・・・・・・!!」
いつの間にか、葦の原から出ている。まさか俺をかわさせて導く作戦だったとでもいうのか!?
《陽炎》
「流星立刀!」
これは、回転翔突という空を飛び、回転しながら付く技の立刀版だ。
ドスン!!!!!!
砂埃が舞い上がる。こちらの勝利だ。
「鎌威太刀!!!」
手ごたえがあるが、突っ切れない。また止められた!?
砂埃が徐々に晴れていく。周りの敵兵や味方の兵も少なくなってきている。そして、俺の前には二つに折られた槍を盾代わりにして防ぐ藤右衛門の姿があった。
「まさか、自ら槍を折って防ぐとは…」
ギリ……ギリギリ……ギリリリリ
「そうでもせぬと防げぬだろう?」
「はっ、それもそうか」
「では、こちらからいかせていただこう!」
そう言って、数歩下がった。
トン、トン、トン・・・来るっ!!
「ハァッッ!!」
槍で突いて来てそれをかわす。・・・・・・・・・・・!
「囮か!」
「その通り」
突いてきた槍には、穂先がなかった。しかし、それを受け止めてしまっている俺は、どうすることもできない状態に近い。
「くっ!」
なんとか体を捻らせてかわす。
「天歩」
空に逃げる。落ちる時が心配だが、今はそんなことを言ってられない。
「うぉぉぉぉ!」
下から藤右衛門が迫ってくる。まず、穂のついていないほうを繰り出した。
やったぜ、今度こそ勝ちが見えた。穂のついていないほうで、体勢を崩させようとしたことが失敗だったな!
「重力流し!」
トン
槍の上に立つことで、踏み台にする。そのまま前に跳び、藤右衛門の後ろに回る。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!」
――――――奥義・天神斬り。これは、この数日中に編み出した技だ。地面すれすれの低姿勢で走りながら、敵の前で少し体を上げて斬る。そういう技だ。
ドサァァァァ!!
それは、俺が倒れた音だろうか。それとも藤右衛門が倒れた音だろうか。俺は、藤右衛門に勝利した。
「われらの勝利じゃぁ!」
味方の兵士が叫ぶ。
「みな、突っ込め!」
「オォォォォォォォォォォォオ!」
味方の軍が敵に突っ込む。我が殿、貴殿は最高の軍師だ。




