22話 車懸り対連車輪6
《浅野藤右衛門》
身の丈6尺近い大男、浅野藤右衛門は野中瀬備前守氏兼より命を受けていた。それは、敵の背後を突き、疲れていない敵をつくらせないというものであった。
「何者だ、貴様」
「そういった貴殿こそ何者だ」
敵対した忍び装束の男が問うてきた。
「大曽根城代、浅野藤右衛門だ。」
「そうか。俺は、陽炎。・・・・・・甲賀の抜け忍だ」
甲賀の抜け忍か。道理で強いわけだ。
「透っ波が何故戦場に出る?」
透っ波は、刀を構え直して言った。
「天羽源のため」
《陽炎》
「いざ、参る!」
「おう!」
俺は、藤右衛門に打ちかかるふりをして後ろに回る。
カキン
「っち」
止められたか。なら、
「天歩!!」
空を後ろに歩く。そして、回転して切りかかる。
「嵐刀」
「ぬうん!」
またも止められる。こいつは、槍の扱いが上手いうえに動体視力と力がある。俺にとって、厄介な相手ということには間違いない。
「立刀」
この技は、刀を地面に突き刺してその上に立つ技だ。類稀なる平衡感覚と重力流しを習得していないと使えないのが難点だが。そうやって一度、こいつから距離をとる。
「うぉぉぉぉぉお!」
槍をついてくる。
それを跳んでかわし、
「斬蹴」
これは、物を斬る蹴りだ。まぁ、斬るというより折るほうが近いが…。
「くっ」
こいつが苦しい声を上げるが、槍は折れていなかった。
「この威力を逃がしたのか!?」
「それぐらいできるわ。それよりも透っ波、まさか今のが奥の手ではあるまいな?」
「そんなことがあると思うのか?」
「ないな」
「なら聞くなっ!!!」
そういって、もう一度斬蹴を放つ。
「っ!」
やはりかわされる。なら、
「葉鱗粉!」
火気と飛び道具が使えない今、唯一の目つぶしに近いものだ。
しかし、それも後ろに下がってかわされてしまう。
「空駆吏」
天を走るこの技で、一気に近づく。そして、
「斬蹴!!」
《浅野藤右衛門》
くそ、連続する攻撃のせいで、かわすのが精一杯とは。
「空駆吏」
「っ!」
一気に近づかれた。
「斬蹴!!」
どうも、natakuです。え、あと2話くらいじゃ終わらなそうだな?ごめんなさい。それはなかったことにしてください。あ、39000pvいきました。これからも頑張っていきますので、面白かったらブクマお願いします。