20話 車懸り対連車輪4
どうも、natakuです。来週は、1話しか投稿できないと思いますがご了承ください。
≪泥田平三郎≫
「皆の者、敵の槍をかわしたらすぐに槍を叩き落せ。さすれば、槍の攻撃は止まり、天羽本隊までたどり着けようぞ!」
さすがは、豊後守様。しかしそうはさせない。
「堤豊後守様とお見受けいたす。儂は、泥田平三郎と申す。どうかお手合わせ願いたい」
「この隊の隊長か。その心構えはよいが、そのような使いこなせていない長槍で我を倒せると思うなよ!」
そういって、わが軍の兵士を一突きして儂の方へ向かってきた。
豊後守様が槍をふるったが、それをかわす。
ズドン!!!
地面に槍がめり込んだ。なんという力だろう。今の一撃は、槍を折ろうとしての一撃。強すぎる。そう思うと体が震えてきた(注:あくまでこれは武者震いです。断じて怖くなったわけではありません。)。
儂は槍を構えなおして、一突きする。
カン!
腰に差していた木刀を抜かれ、防がれてしまった。もう一度、
「はっ!」
カン!
また止めれれた。今度は、左手に持った槍でだ。
「その程度か、新田某。見損なったわ!!」
ガン!
今度は、詰めて木刀を振り落とされた。
ピキッ
3間(約5.5メートル)の長槍が不自然な音を立てる。
「はぁぁ!」
力を振り絞って押し返す。互いに跳んでの後退。槍を見てみると、皮一枚で、穂側と持ち手側がつながっていた。
「っち!」
槍を折る。そのせいで、長さが、1間(約1.8メートル)足らずまでになってしまった。
「短くなったか。どれ、どの程度まで防げるかのう!」
そういって、また重い一撃を繰り出してくる。それをかわした時に、体勢を崩して転んでしまった。
「一撃か。では、」
ああ、突かれて儂は撤退か。そう思ったその時、
「せい!」
木刀による河毛殿の一撃が空中から繰り出される。しかしそれも、
カキン!
豊後守様の木刀によって防がれてしまう。
「奇襲とは。己、卑怯な!」
「卑怯もへったくれもあるもんか。勝てばそれでよい。合戦とはそういうものでないか。元寇でもそうだったと聞き及ぶが?」
「どういうことだ?」
「神風じゃ、勝ったて言えねえだろっつてんだよ!」
そう言いながら、また木刀で斬りかかる。
「ぐぅ…‥‥」
今のは鋭い攻撃だ。そして、豊後守様の後ろががら空きになった。儂なら今倒せるのだ。
「セイヤー!!」
そう言って折れた槍を突き出す。
「むぅ」
反対の手に持っていた槍で防がれるも豊後守様の注意力が散漫になった。
「はぁ―――!」
山田殿が剣を引き、また斬りかかる。
「ぐはぁ!!」
豊後守様の肩に当たった。勝ったのだ。豊後守様に勝ったのだ。
「敗けてしまったわ。お主等名はなんと申す」
「泥田平三郎」
「河毛基永」
小さな回る陣を我々が初めて破ったのだ。
次回、陽炎率いる別動隊編です。




