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俺、小田家に仕官します。  作者: 七竹真
2章 VS飯塚美濃守
18/40

17話 車懸り対連車輪1

――――――俺の軍は車懸り、まだ日本において使われたことのない陣形


――――――儂の軍は連車輪、まだ戦において使ったことのない陣形


――――――天羽源鉄あまはげんてつの代わりとして、


――――――飯塚美濃守重光いいつかみののかみしげみつの名において、


――――――絶対に負けるわけには行かないっ!!




《天羽源方》


「ねぇねぇ、又五郎またごろう真幸さだゆき

「なんだ?」

「おう」

「あれさ、」

 俺は目の前に広がった陣形を見てこう言った。


「車懸りじゃない?」


 そう、目の前に広がった陣形――――美濃守の陣形は、車懸りそっくりだったのだ。違いがあるとすれば、何個もある代わりに、一つ一つの大きさが小さいことぐらいだ。

「軍師殿、俺らの見間違いじゃないんだな?」

「それはこっちが聞きたいよ……」

 どうやら、又五郎や真幸も同じ光景を見ているらしいイコールこれは現実であり、夢ではないということだ。


「美濃守のおっさんて、小田家の軍師なのか?」

 そう質問してみると、

「いや、違う。おそらく野中瀬備前守の案を美濃守殿が工夫したのだろう」

 と真幸が答えてくれた。


「そうか。それより、野中瀬備前守って誰だ?」

「俺と同じ小田六騎おだろっきの一人で、正式に言うと野中瀬備前守氏兼のなかぜびぜんのかみうじかね。数えで19の苅間城主だ」

 又五郎に詳しく聞いてみると、敵にはもう一人小田六騎の人がいて、江戸山城守嘉之えどやましろのかみよしゆきというらしい。また、大曽根城おおぞねじょう浅野五郎左ヱ門あさのごろうざえもん藤右ヱ門とうえもん兄弟と海老ケ島七騎えびがしまななき堤豊後守景昭つつみぶんごのかみかげあきの3将がいるらしい…。


 って、俺より好待遇じゃないか!俺の軍の名の知れた将は、又五郎と真幸のみ。

 他の隊長である奈羽なばね平三へいざ基永もとながは、普通の武士だ。陽炎は、もともと甲賀の忍びの中で1,2を争っていた(本人談)とはいえ、こういった感じの戦いにはたぶん慣れていない。とんぼ、伝助でんすけ良平りょうへいにいたっては、農民である。


 終わった……。負ける気しかしなくなってきた…‥‥。




《飯塚美濃守方》


「おい、備前」

 そう言って儂は、備前を呼んだ。

「何でしょうか、美濃守様」

「あれ、でかい連車輪ではないか?」

「違います」

「そうか、儂の見間違いか……って、そんなわけなかろう!巨大連車輪ではないか!」

 つい、乗り突っ込みしてしまったでないか!

「だから違います。あれは、連がない、ただの巨大車輪です」

「屁理屈言うな」


 どうしよう……。儂、少しばかり不安になってきてしまった……。


小田六騎一覧

沼尻播磨守又五郎家忠ぬまじりはりまのかみまたごろういえただ

野中瀬備前守氏兼のなかぜびぜんのかみうじかね(野中瀬鈍斉)

江戸山城守嘉之えどやましろのかみよしゆき

関刑部せきぎょうぶ

平塚自省長信ひらつかじせいながのぶ

友部主膳ともべしゅぜん

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