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Old enemy a Own  作者: ゆう
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変えられた未来

『っ…ここ、は…?』



とある場所に倒れ伏していた谷間良が目を覚ます



それと同時に谷間良は周りを確認する


『…っ‼︎』


周りには見た事のない木材でも、煉瓦や金属でもない物質の建造物が建ち並んでいた



『っ…なんだよ、ここっ?』



谷間良は目を疑った…今自分が目にしているのは現実なのか、と




『そう言えば、あの子達は…っ‼︎』



ふいに少女と少年を思い出し周りを見回すと


少し離れた所に自分と同じように倒れ伏している由香奈と呼ばれていた少女がその場にいた



『…おい、大丈夫かっ?』


谷間良は少女に近寄り、首筋に手を当てる


トクン、トクンと少女から規則正しい脈の音が手に伝わる



(良かった…生きてる)



少女の安全を確認すると安堵した


ここがどこかも分からない状況で死なれたら目も当てられないからだ



だが、流石にずっとこの場に留まるのもどうかと思った谷間良は



『…よいしょ、と…』


少女を背負い、ここがどこなのか確認する為に建造物のある方角に歩き出す


建造物が有るなら人に会えると考えたからだ



幸い建造物のある場所には直ぐ辿り着く…だが



『…なんだよ、ここ』


また、谷間良は目の前の光景に驚愕する



何故なら…辿り着いた街と思われる場所に機械やアンドロイド、、人間がいた


その人間には首輪が着けられていて、さらに紐が吊るされておりその紐をアンドロイドが握っていた…まるで‘‘アンドロイドが、人間を飼ってるかのように’’


その人間の目は、生きてる感じが全くなく


表情も無表情で感情がないように感じる



『…うっ…ん』


とそこで背中にいる少女から声が聞こえる



『…ここは?』


どうやら、目を覚ましたようだ



『…目が覚めたか?』


谷間良は確認の意味を込めて声を掛ける



『えっ…ってきゃっ‼︎降ろして〜っ‼︎』


少女は状況を理解すると谷間良の背中でジタバタと動き出す



『ま、待てっ…暴れるなって‼︎』


谷間良は少女に制止の声を上げる



『は、早く降ろしてっ』


恥ずかしいのか消え入りそうな声で訴える少女



『分かった…今降ろすから』


谷間良は素直に少女を背中から降ろす


少女の顔は赤く染められていた


余程、背負われていた事が恥ずかしいのか


谷間良に目を合わせようとしない少女



『えっと、、』



谷間良は自分を恨んだ…


こんな状況の時、何も口に出す事が出来ない自分に



『えっ、なに…ここっ?』


と少女もアンドロイドと人間を見て驚愕の声を上げる



『どこって、君の時代じゃないのか?』


谷間良は不思議そうな顔を向けながら問う



少女は、腕に付けている時計のような物を見て


『そうね、此処は私の生きてる…貴方にとっては‘‘未来’’に当たる時間軸だわ』



谷間良は納得する…金属とも木材とも煉瓦とも違う物質の建造物、街に普通にいるアンドロイド…空には空を飛行する車が宙を一直線に渡っていた…此処は間違いなく



『‘‘未来’’、か…』



谷間良は静かに空を見上げながら口にする



『でも、おかしいわ』


少女が、信じられないという様子で言う



『だってこれじゃ、まるで‘‘アンドロイドが人を支配’’してるみたい』



谷間良はその言葉を聞いて固まる…


それと同時にある言葉が脳裏をよぎった



(最高の舞台を用意してやる…‘‘未来’’で待っていろっ‼︎)



その言葉を思い出した谷間良は僅かな声を震わせながらいう



『未来が__変えられた?』



『どういう…こと?』



少女が驚愕の表情で、声を僅かに裏返りながら聞く



『言ってただろ?‘‘未来’’で待ってろ…って』



そこまで言うと少女はハッとする…そして




『最高の舞台を用意してやるって…こういう事だったの?』



少女は目の前に光景に動揺する



『無理よ…33年前よ、技術も進歩してない‘‘過去’’で、有り得ない』



『でも、もしも協力者がしたら…可能なんじゃ?』



そう言うと二人の間に沈黙が訪れる



そして谷間良がその沈黙を破る




『考え込んでもしょうがない…取り敢えず落ち着けるところで状況整理だ』



谷間良は諭すように優しく笑いかけながら言う


目の前にいる由香奈と言う名の少女を落ち着かせるために



『ごめんなさい、本当は叔父さんの方が混乱してるのに…取り乱してごめんなさい』



由香奈は深々と頭を下げながら謝罪する




『いや、そんな謝らなくて大丈夫…でも、そのずっと気になってたけど__叔父さんってどういう事?』



谷間良はずっと気になっていた


由香奈は谷間良の事をずっと‘‘叔父さん’’と呼ぶ…


だが、谷間良には彼女…由香奈に関する覚えがない


まぁ‘‘未来’’の人なのだから知る由もないはずなのだが



『あ、えっと…言っていいのかな?』



由香奈はその質問に戸惑っている…答えて良いものなのかと…



『…よし』


由香奈は暫く黙っていたが意を決して口を開く



『私は由香奈、山崎(やまざき)由香奈(ゆかな)…谷間良の姪です』



谷間良はその言葉に目を見開く



(えっ…俺には、親戚はいないはず)



そう、谷間良の母の両親は既に他界しておりまた母自身も一人っ子であるため兄弟もいない


父もまた同様…そんな中で考えられる可能性は



『もしかして、俺の兄さんか姉さんの?』



『はい…私は、貴方のお兄さんに当たる山崎(やまざき優士(ゆうじ)の娘です…そして、今この場にいない(カイ)は貴方の姉…山崎(やまざき)(こう)の息子』



谷間良は耳を疑った…だってそれはあり得ないことだから



『なんで、だって…そんな13年前に俺逹家族はっ⁉︎』



『えぇ、話は父…貴方のお兄さんから聞いています』



『…だったら』



そこまで言うと由香奈は谷間良の前に人差し指を立てる



『あまり、此処で話こむのは良くありません

場所を変えましょう…此処が同じ時間軸なら私の家がこの近くにあるはず、詳しいことはそこで話しましょう』



言い終わると由香奈はトコトコと先を歩き出す



谷間良はそんな彼女にゆっくり付いて行く

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