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世界でただ一人銃を扱える者(仮)  作者: おひるねずみ
第1章 旅の始まり
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第十六弾 二人の異邦人

お待たせしました。二カ月振りの再開です。

「すまん。一分ほど前から、君の事を陰ながら観察していた。今、姿を見せるので攻撃してこないで欲しい」


 そう言い放ち、何もない場所から姿が露わになる。

 そこには、緑色エメラルドグリーンの発光を淡く放つ、身長二メートル近い立派な蜥蜴とかげが、両足を地面について躍動感あふれる面持ちをして立っていた。


(まるで、リザードマンだな)


 俺が感じた第一声はこれだ。

 だが、想像と違ったのは、その眼には知性の光が宿っており、俺の知る凶暴なリザードマンと相反していた。

 喋り方も温厚で気高く、誇りを感じられ、何よりも武装をしていない。いわば、丸腰! ずっと隠れて生活していたのだろうか? 疑問が尽きない。


「我の名はヲォークス。君と同じく、異世界に住んでいた者だ」


 お辞儀をしながら、丁重な喋り方をする姿に好感が持てる。

 名を名乗ったのなら、こちらも名乗らなければ失礼に値するので、自分の名前を友に語る様に教えた。

 だが、犬達は警戒を怠らず「グルル」と低い声でうなりを上げる。


「キッドよ。すまぬが、その者達を鎮めてくれないか?」

「わかりました。お前達、静かにするように」

「「クゥ~ン」」


 俺の命令を聞いてくれる犬達に、ある種の感動を覚えながら、早速、謎の会話についての話をする。

 どうやら、謎の言葉については、ある程度信用しているようだ。

 次に俺は、シェミル村に魔物が襲撃するかもしれないので、共に防衛に協力して貰えないかと交渉した。


「フム……協力してもいいが、条件がある! 見た所キッドは、食料に困っていないな?」

「え? ええ、困ってないですよ?」

「我達は……困り果てているのだよ……食べれるであろう物を手に入れた瞬間に、それが目の前から消えるのだからな……」


 ―――ッ! そうか! 異次元袋の能力を知らないと、こうなる訳だ。

 便利さゆえの弊害とでも言うべきか……可哀想に、この世界に来てから何も口にしていないんだろう。

 ある意味、罰ゲームに等しい。


 それが事実なら二人共、異次元袋を持っている事になる。

 さっきの謎の人。いや、創造主と言うべきか。創造主が説明で異次元袋の特徴を伝えれば良かったのにな。そうすれば、食料で困る事は無かったはずだ。


「食料問題ならすぐに解決しますよ? ほら」

「!?」


 俺は右手の平に、さっき木の枝から千切った青リンゴの果実を出し、下投げで、ゆっくりと円を描くスピードで果実を投げ渡す。

 相手の反応速度を見るために、届く手前に投げたのだが、想像以上の動きをしたヲォークスさんにビビる。

 少し目を離したら、三メートルの距離を俺に気取られる事なく移動したからだ。

 ハッキリ言って身体能力は、俺より遥か高みの位置にいると解釈した。

 三キロの距離を、五分以内に走破した実力の一端を垣間見た気がする。


「キッドよ。教えて欲しい。いったい、どうやったのだ?」

「そうですねぇ……う~ん、今までの手に入れた食べ物を一つ、思い浮かべて目の前に出てこいと念じて下さい」


 ヲォークスさんが目を閉じて念じ始めると、入手したであろう肉類が空中から出現し、土の地面に落ちた。

 食料が出て来た事にショックを受け、眼が飛び出ようとしている。

 が、すぐに立ちなおり、木々が生い茂っている林の方を向き、声を掛けた。


「フェミー。姿を現していいぞ。彼は、信用できそうだ」

 

 ヲォークスさんの掛け声に応じて、林の方から姿を現すは、半人半獣、人馬一体の、女性型ケンタウロス。

 馬の首から上が人間の上半身に置き換わったような姿をしていた。

 上半身は灰色の毛皮を使って、バスタオルの様に巻きつけており、右手には、青光ブルーライトに発光する槍を持ち、ヲォークスさんの傍まで蹄を鳴らして駆け寄る。


「見てたわ。ワタクシも同様に食料を取り出せるのね」

「恐らくな」


 二人共、食料が出て来る原理が分かり、穏やかな顔を交わした後、俺の方を振り向き頭を下げた。


「ありがとうキッド。このまま何も食べれなければ、近場の村を襲っていたかも知れないわ」

「えっ!?」

「だって、そうでしょう? ワタクシ達の恰好をした者が、村に行ってみなさいよ。絶対、襲い掛かってくるはずよ?」

「嗚呼、我達もキッドと同じ姿なら問題は無かった。なにも気兼ねする事も無く、尋ねられたであろう…………最初に村の住民を見た時は驚いたよ。我と違う生物が、村を形成してるのだからな」


 二人の言い分は最もだ。

 もし、俺も逆の心境なら、同じことを思考するだろう。


(俺が初めて出会った人物や村が、同族で本当に良かった)


 感謝の気持ちを心に刻み、お互いの事を更に詳しく話す。

 彼らは、よほど空腹だったようで、食べれる物を片っ端から召喚し、口に入れている。

 その時に許可を取り、彼らのステータスを調べさせて貰った。


 名前:ヲォークス

 種族:アラミド・ドミネイター

 性別:男

 HP:390/390

 筋力:81

 耐久:72

 器用:78

 敏捷:75

 世界の加護『異次元袋』『原始の力』『武の極み』

 スキル『筋力LV81』『体力LV72』『器用LV78』『敏捷LV75』『布術LV79』『裁縫LV49』『隠密LV83』『遠目LV80』『登山LV63』『水泳LV76』『軍団指揮LV82』

 820/1000


 名前:フェミー

 種族:フューリー・サジタリウス

 性別:女

 HP:378/378

 筋力:63

 耐久:77

 器用:66

 敏捷:79

 世界の加護『異次元袋』『放電』『万里聴覚』

 スキル『筋力LV63』『体力LV77』『器用LV66』『敏捷LV79』『槍術LV72』『弓LV66』『木工LV44』『隠密LV53』『遠目LV60』『登山LV42』『旋律LV78』

 700/1000


 彼らの話を聞くと、生産特化の選択しは存在せず、二人は半自動的に戦闘特化の成長方向に決まったらしい。

 基礎ステータスの上がり方が二割増しになったとしても、高すぎるステータスだ。

 種族によって、初期のスキルレベルに差があるのか? それとも熟練度が関係しているのか? 恐らく後者だろうな。

 基礎のフィジカルは、現代人と昔の人を比べれば、雲泥の差があるはず。

 便利な移動手段や道具、娯楽が溢れる様になり、運動量が減少した事も関係ありそうだ。

 そう考えればLV1から成長が開始したのに説明が付く。銃なんて触れた事も無かったからな。


「お二人共、スキルレベルが高いんですけど、何か特別な事をしていたんですか?」

「スキルレベル?」


 この反応からすると、なにも知らない様だ。

 俺は自分のステータスを確認できますかと質問したが、できないと返された。

 推測するに『鑑定眼』がなければ、自身のステータス、加護、スキルを見ることが出来ないということか。


「そうだな……思い当たるとすれば、我の身丈と同じ大きさをした、鋭いカマを持った奴らを数百体、二人で蹴散らしていただけだ。後は、フェミーと組稽古をしていた事くらいか」


 ヲォークスさんの会話を、相槌で返事をするフェミーさん。

 今の話が本当なら、この二人は途方も無い戦力になる。

 俺の予感が正しければ、相手はサンプラッサと名の付く、個体種だろう。それも子供ではなく、俺が戦った奴よりデカい奴だ。

 きっと異次元袋に、そいつの鎌が入っているはず。


「ヲォークスさん。よろしければサンプルで一つ、カマを見せて下さい」

「ああ、それはいいが。名前の後に付く『さん』とは何だ? 変な感覚がするので止めてくれると助かる」

「ワタクシも『さん』は要らないわ」

「わかりました」


 ヲォークスから、手渡された鎌を地面に置き、自分が倒したサンプラッサの鎌を異次元袋から取り出し、大きさを比較してみる。

 俺が仕留めた奴のは三十センチに対して、渡された鎌は推定六十センチあり、いかに危険な相手か容易に想像できた。


「やっぱり、蟷螂サンプラッサです」

「ほう? キッドは、この生物の事を知っているのか」

「はい。実は……」


 俺の持っている情報を二人に共有させ、理解を深めて行く。

投稿は、一週間から十日の間に一話できればいいかな~。っと思っています。

理由は活動報告に記載しておきます。


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