表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界でただ一人銃を扱える者(仮)  作者: おひるねずみ
第1章 旅の始まり
11/19

第十一弾 初取引

「おう、いらっしゃーい。……ん? お客、見ない顏だな」

「ええ、さっきここに着いたばかりです。それで、お願いがあって参りました」

「ほう……何か、訳ありのようだな……言ってみな?」


 俺の印象は、それ程悪くない様だ。早速交渉を始める。


「フ~~ン。つまり、鉱石類が、特に銅鉱石を譲って欲しいんだな?」

「はい。実は現在、手持ちが無くてですね……物品ならあるのですが……」

「良し! なら、その物品を見せてくれ。その売上金で、銅鉱石を買えばいい!」


 途端に、店主の口元が緩む。

 客に対しての営業スマイルだろう。

 俺は上半身裸体の店主に、戦利ドロップ品である。

 オークの鉄槍、灰色ウルフの毛皮二十枚2kg、他etcエクセトラ。その他もろもろをカウンターに提示した。


「お、おい! お前! どこから、これだけの物を取り出した! 言え!」


 やはり、強行したのは不味かったかも知れない。

 だが、気にしない事にする。

 今は、悠長な事を言っている場合ではない。


「絶対、誰にも言わないと約束できますか? できるなら……」

「あったりめぇだ! 商人は信頼が第一なんだよ! 信用が無くなれば、俺みたいな弱小の店は、あっという間に潰れちまう」


 カウンターの机を両手で「バンバン」叩き、熱弁を振るう店主。

 俺は真剣な表情で、親父みたいな仕草をする黒人男性に好感が持てた。

 俺は親父に、口酸っぱく言われた言葉を、一瞬思い出す。

 「信頼を失うような真似は、絶対にするな!」と。


「分かりました。話しますから、色を付けて下さいよ?」

「ああ、いいだろう!」


 そして、俺の異次元袋の力を語り、店主を驚きの坩堝るつぼに招き入れた。


「すげえな……普通は信じねえが、この肉眼で見ちまった以上、信じるしかねえわな。まあいい、少し時間をくれ。お前さんが提示した品の確認をさせてくれ」

 

 肌がツヤツヤの店主がまじまじと、品物を鑑定している間に、俺は店内に飾ってある武器を眺める事にした。

 刀剣類は刀剣の棚にと、キッチリ整頓してあり、店主がマメな性格である事が分かる。

 時間があるので、店内の武器の値段と品質を抜き打ちチェックする事に。

 【名前:カッパーナイフ。ダメージ8~11。品質91特級品】値段九千ルース。

 【名前:ブロンズソード。ダメージ18~24。品質89一級品】値段一万八千ルース。

 【名前:アイアンソード。ダメージ30~36。品質84一級品】値段三万六千ルース。

 【名前:サンプラッサブレード。ダメージ32~39。品質80一級品】値段四万ルース。

 【名前:スチールソード。ダメージ39~44。品質76二級品】値段六万ルース。

 【名前:シルバーソード。ダメージ28~34。品質59一般品】値段七万八千ルース。

 

 文無しの俺からすると、途方もない値段だ。

 けど、この情報から読み取れるものがある。

 それは、鉱石の価値だ。

 銀>鋼鉄>サンプラッサ?>鉄>青銅>銅と、上に行けば行くほど価値が上がる。

 つまり、一番下の銅は、現在一番安いと言う事。

 売値が良ければ、大量購入できそうだ。


「おい! 査定の方、終わったぞ。こっちへ来い」


 いつの間にかモノクルを掛けていた店主。

 表情は、にこやかで感慨深い表情をしていた。


「査定金額の結果だが、合計三万ルースでいいなら買い取ろう」


 三万ルース。

 それだけあれば、幾らか銅鉱石が買えそうだ。


「分かりました。それでお願いします。……え~と……」

「ああ! 俺の名前か? 俺はアンダーソンだ。お前は?」

「俺はキッドです。アンダーソンさん」

「それじゃあ、キッド。どうする? 銅鉱石一つ二百五十ルースだが、いくつ欲しい?」


 ひとつ二百五十か……銅のインゴットを、一つ完成させるに七百五十ルース。

 取りあえずインゴット三十個分を購入して、弾丸を六百発分、作製しよう。


「アンダーソンさん。銅鉱石、九十個売って下さい!」

「九十ぅ~! キッド、お前、そんなに買って何するつもりだ?」

「銃の弾を制作したいんですよ。用途は、弓の矢と一緒です」

「フ~ン? つまり、これから起きるかも知れない襲撃対策の一環として作ると……で、どうやって作るんだ?」


 俺の生産方法は、職人さんに言わない方が良いよな……場所を取らないで生産でき、作業が一瞬で終わる。

 職人泣かせの力だし……


「まあ、詳しい事を聞くのは止めにする。持って来るから待っていてくれ」


 数分後。

 銅鉱石を詰め込んだであろう袋を、肩に担いでアンダーソンさんが、カウンターの奥から姿を現した。

 そのブツをカウンター上に「ドスンッ!」と、叩きつける。


「キッド。銅鉱石、九十個だ。中身を確認してくれ」

「あ、はい」


 軽い返事を済ませ、異次元袋内に鉱石を収納する。

 表示された黒文字には『銅鉱石、百個入手』と、脳内に表示されていた。


「アンダーソンさん。十個、余計に入っていたので返します」

「なっ!? 多く入れたのも、判別出来てるのか…………それでいて、多い分を俺に返却するとはな! キッド。あんたの事は信用できそうだ。ほらよ、残りの七千五百ルースだ」


 俺はお釣りを受け取り、店端に飾ってる採掘用つるはしを、五千五百ルースで追加購入する。

 俺の意図を読み取ったアンダーソンさんが、採掘場の場所を教えてくれた。

 どうやら村の西側を、道なりに進んだ所にブルス採掘場の名称を持つ、鉱山があるらしい。


「アンダーソンさん。採掘場の情報、ありがとうございます」

「な~に、礼なら、またここに来て、品物を買って行ってくれれば、それでいい」

「アハハハハッ……善処します」


 アンダーソンさんに、作り笑いをしながら『スティールレット』を出で立つ。

 中央の橋を渡る前にある、日常品を販売している店に入り、ガラス製の大型の花瓶を残りの二千シールで購入。

 村の中を流れるヘラリス川の水場に行き、周囲に誰もいない事を確認して、ガラス製品を異次元袋にしまい、そのガラスを錬金プラス鍛冶で『適正レベル六。ポーションチューブ』を二十本製作。

 形状は、その名の通り試験管だ。

 後は、川の水を利用して回復薬を作る予定。


 だが、その前に俺は実験を兼ねて、川の水が異次元袋内にどれだけ収納可能なのかを、テストしてみた。

 川に向かって念じるだけでは、収納出来なかったので、緩やかに流れる川の水に触れて念じてみる。

 すると、一秒間あたりに付き、所持品に水が二十リットル追加され、僅か十秒で二百リットルに達し、五十秒で千リットル(一t)を超えた。

 ちょっと怖くなってきたので、これ以上採取するのは不味いと考え、中断する事に。


 次に、錬金『適正レベル八。ヒールポーション』を二十本作製する事にした。

 このヒールポーションは、ヒールボトルより使用する液体が五回分少ない。

 その為、効力もヒールボトルの五分の一なのだが、その分、大量生産が可能。

 一長一短だが、小型で携帯できるので、利点の方が大きい。

 材料は、癒し草八個。水分一リットル。ポーションチューブ二十個で作製。

 ヒールポーションは一本に付き、五十ミリリットルで、ボトルは一回分二百五十ミリリットルと、言う訳だ。


 そうして完成したヒールポーションのうち半分を、村の西入り口にいる警備の人達に「医薬品です」と言って渡すと、怪しげな表情をしていたが、すぐに表情を変え、俺に感謝の礼を述べた。

 その後、出かける場所を質問してきたので、受答えをする。

 

「そうか、採掘しに行くのか……かえらずの森を抜けて来たと聞いたから、腕は立つんだろう?」

「それなりには」

(言えない。レオナさんの活躍で森を抜ける事が出来ました。なんて、口が裂けても言えない)

「行くなら止めはしないが、夜までには絶対に帰って来いよ? 夜でなくても今は危険なんだからな!」


 警備の人に釘を刺され、村の入り口から見送られる。

 マップを見てみると、西に四キロ進んだ先に、採掘場の場所が表示された。

 その採掘場の距離を五倍化した先が見えないところから、マップは周囲二十キロ範囲まで表示されている事になる。


 段々と解明される事実に、心をおどらかせながら、道なりに西へ、西へと移動しながら鍛冶スキルで『適正レベル一。銅のインゴット』を、三十本作成。

 流石に適正レベル以下の製作物だと、ルーレットの九割以上は青色で統一され、数マスに金色が表示されていて、難易度の違いが一目瞭然だ。

 適当にストップさせ、インゴット三十本を完成させる。

 その三十本を使用して、次に『適正レベル十。銅の弾丸』を六百発作り、弾の種類を入れ替えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ