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世界でただ一人銃を扱える者(仮)  作者: おひるねずみ
第0章 プロローグ
1/19

第一弾 手元に銃

文章表現が稚拙ですが、温かい目で見守って下さると嬉しいです。

完結させますので、どうかよろしくお願いします。

 辺りから、葉や小枝が風で揺れる音がする。

 風に運ばれ、森林の匂いが鼻に入り込む。

 眩しい光が顔を照らし、意識が覚醒した。

 

「ここはどこだ?」


 目を擦り、上半身を起こし、その場に立ってみる。

 瞳には、見た事が無い風景が広がっていた。

 天を見上げれば、木々に付いた葉が生い茂り、風が吹く事で「ザワザワ」と音を搔き鳴らす。

 

「どこをどう見ても、森の中だよな……」


 どうして俺は、見知らぬ森の中にいるのか? 疑問に感じたが、更に追い打ちを掛ける様な出来事が俺を襲った。

 頭の中に、マップが表示されていて、現在位置が判明したからだ。

 【現在の地名『シルクード地方、帰らずの森』方向感覚が分からなくなる森。入ったら最後、生きて出られない】


「ハァ? 何で俺、そんな危険な場所に侵入してるの? 森にマツタケを採取しようと意気込み、迷子になった遭難者か?」


 記憶を辿ってみても、日本人と言う事は覚えているが、自分の名前を思い出すことが出来ない。

 俗にいう、記憶喪失って奴だ。

 それに俺の恰好が、色々とおかしい事に気が付いた。

 旅用の長袖シャツ、黒のズボン、丈夫な革靴と、ここまでは分かる。許容範囲だ。

 だが、腰にあるぶつには、本当に身に覚えが無い。

 小型のリボルバーらしき銃が、腰に着いているホルダーケースに収まっていたからだ。


「嘘だろ!? 俺はこの森で、狩りでも楽しんでいたのか!? 猟銃法で捕まるだろ……」


 俺はホルダーから銃を抜き、手に取る。

 次の瞬間! 脳内画面にステータスが表示された。


 名前:ななしさん

 種族:人間の青年

 性別:男

 HP:35/35

 筋力:1

 耐久:1

 器用:1+1

 敏捷:1

 ダメージ:17~20

 防御力:1+3

 射程:30メートル

 武器:ファースト・リボルバー。ダメージ13~15

 弾:練習用の弾百発。ダメージ2~3

 防具:『初心者のシャツ(白)防+1』『初心者ガンホルダー(黒)器用+1』『初心者のズボン(黒)防+1』『初心者の革靴(黒)防+1』

 世界の加護:『錬金術の才能』『鑑定眼』『生産者魂』『異次元袋』『銃使用許可証』

 お金:0ルース

 スキル『筋力LV1』『体力LV1』『器用LV1』『敏捷LV1』『銃LV1』『錬金術LV1』『鍛冶LV1』『裁縫LV1』

 8/1000


 見覚えがある表示欄。

 そんな馬鹿な事がある訳がない。

 これではまるで。――――ガサガサ! 音がした方を振り向くと、二十メートル先に、背中に二つの星の模様をつけた、五十センチ程の大きさをしたテントウムシが、空中から地面に降り立った。

 そいつの頭上には、緑色のゲージが表示されており、俺の視覚からターゲットサークルがテントウムシに張り付く。

 その直後、テントウムシの名前が赤文字で表示される。

 【名前:ダブルスター。HP24。弱い麻痺毒もち。星の数が多くなるほど、強さを増す。最大七つ星が確認されている】

  説明付きのメッセージを読み、悟る。

 ターゲットの名前が赤い。すなわち、このテントウムシは、俺に敵意を持っていると判断した。


「ギシャァァァ――――!!」


 羽を「ブブブブブ」とバタつかせ、空中を飛びながら、こちらに向かって来る。

 俺は右手に持っていたリボルバーの銃口を、ダブルスターに向けて、引き金を何度も引くが、一発も当たらずHPバーが減少していなかった。

 ダブルスターが勢い良く俺に飛びかかって来たため、回避に専念し身を捻って避ける。

 標的を通り過ぎ、行き場を失ったテントウムシは地面に着地し、こちらに振り向き、歯をギチギチ鳴らし威嚇をしてくる。

 俺は何気なく、右手も持つリボルバーに眼をやると、そこには2/8と表示がされていた。

 つまり、後二回引き金を引いたら、装填リロードしなければならない。

 俺は、そこである事に気づき、初めて後悔の念にさいなまれた。


「残弾って、どこにあるんだ!?」


 もしこれが、俺が想像しているゲームの中の世界なら、弾切れになったら自動でリロードが始まるはず。

 手動で装填するのなら、素手でテントウムシをどうにかするしかない。

 いや、この二発で倒す事が出来れば、後はどうにかなる。

 ダブルスターが奇声を上げながら、地面を這って近づいて来る。

 残り三メートル! これだけ近ければ命中するはずだ。

 俺は狙いをさだめ、ダブルスターに残弾の二発を撃ち込む。

 二発ヒットしたダブルスターのHPゲージが急速に失われ、HPゲージが無くなると同時に青白く光り、その身を消滅させた。


「ハァ~、良かったぁ~。ヒヤヒヤしたよ。全く」


 二発、撃ち込みが終えた瞬間、自動装填オートリロードが始まり、リロード時間四秒と武器に表示された。

 ダブルスターが消滅し終わると、脳内にダブルスターの戦利品ドロップが二つ表示され、所持品に加わる。

 想像した通り、この世界はゲームの世界のようだ。

 所持品に入った、ダブルスターの体液と虫の羽が何処に行ったか謎だが、出てこいと思い浮かべたら、何もない場所から、虫の羽が沸いて来たので、異空間に保存されていると、都合がいいように解釈をする。

 まるで、〇次元ポケットだが、気にしたら負けだ。


 少し、状況を整理してみる。

 良く分からない森の中で目が覚め、武器として銃を所持。

 ゲームを止める。リセットは存在しない。


「なるほど。俺は、この世界で暮らして行かなければいけないのか……」


 未知なる大地を踏みしめていく、圧倒的冒険感! なのだが、現在、所持品の中には食料が無い。

 つまり、超ピンチ。


「まあいい、悲しみふけるのは後だ、前向きに行こう! 取りあえずは、水の確保だな」

 

 マップを拡大して覗いてみると、西の方角1キロメートル進んだ場所に、川らしきものがある事が分かり、敵意を持った生物に注意しながら進むことにした。

 川に着くまでに、何度か戦闘になったが、しっかり引き付けてから銃を撃った為、弾を無駄にせず損害は軽微だ。

 一度だけ不意を突かれ、背後からダブルスターに襲われるものの、すぐさま反撃に出て消滅させたが、説明に書いてあった通り麻痺毒を持っていた為、時間にして三十秒程、動けなくなってしまった。

 もしも、倒しきれていなかったらと、想像するだけで嫌な気分になる。

 体の自由を奪われているのだから、きっとアイツにとって、お手頃なエサになるだろう。

 そんなこんなで、苦労して川辺に辿り着く。

 喉を潤そうと、辺りを警戒しながらも、口に水を含んでみる。


「うまい!」


 毒も無いようだし、それでいて軟水なのもグットだ。

 「ゴクゴク」と難なく飲める。

 喉を潤った所でマップを見ると、一キロメートル南に、一軒の建物が映し出されていた。

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