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職業リア充で異世界無双。  作者: すみを。
第2章:キハイ王国編
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ティフィアとの洞窟探検について

またまた連続更新です

この日、俺は珍しく舞と別行動をとっていた。

一緒に歩くのはティフィア。

この組み合わせで分かるかもしれないが、今日はティフィアの修行の日である。


タウリの話と本の内容から、次の目的地は決まったが、Sランクの証明カードがまだ出来ていない。

毎日ギルドに通って様子を見ているが、まだしばらくかかりそうということだったので、仕方なく今できることをやることにしたのだ。


「さて、始めるか」


「お、お願いします!」


ティフィアはどこか緊張した様子。

思えば、前回の修行はイノマ達も一緒だったので、二人で行うのは今日が初めてだ。


「今日も前回と同じく戦って経験値を得る、といいたいところなんだが、ちょっと違う方法をとる」


「違う方法、ですか?」


いつも通り戦うと思っていたのか、キョトンとした表情を浮かべるティフィア。



「キハイ王国で修行するのは初めてだからな。

まずは、どんな魔物が出てくるのかを見たい。

ティフィアも新しく眷属を増やしたいだろ?」


「はい……私の仲間で戦えるのはこの子くらいしかいませんから」


そう言いながらティフィアが見つめるのは、自分の足に甘えるように体を擦りつけているCランクの赤猪レッドエーバー

カラマ王国でのトーナメントでも出場したが、未だに進化するには至っていない。


「私も、ペリトと再会した時に力になれるくらい強くなりたいです」


「ああ、そのための仲間探しだろ?

眷属一体で戦うのはどうしたって厳しいからな」


俺自身、ライムやカリン、アマルーナは勿論のこと、カラマ王国にはロプスとゴルドラがいる。

いくら舞の指輪でステータスが上がっていても、一人では出来ないことは多いし、いつ能力上昇の効果が無くなるかも分からない。


支給品には未だに謎が多いからな。


だからこそ、可能な限り仲間は増やしたいし、眷属は強化しておきたいというティフィアの気持ちはよくわかった。


「そんじゃ、行くとするか」


「はいぃ」


頷くティフィアも、どこに行くかは分かっているようだ。

その理由も当然、俺たちは今それの目の前にいるのだから。


「行くぞ、『神秘の洞窟』へ」





『神秘の洞窟』。

そこは、キハイ王国では有名な『ダンジョン』というやつだ。

『ダンジョン』というのは、自然に生成され、魔物が多く生息する場所のことで、アマルーナと出会ったあの森も広い見方をすれば『ダンジョン』と呼べる存在である。


ちなみにこの呼び名を知ったのは、本の6番の『その他の項目について』を読んだからだ。

思っていた以上に大事なことが書かれていてビビる。


とにかく、まとめると『魔物使い』にとっては、『ダンジョン』は宝の山であり、修行に相応しい場所とも言えるのだ。


「なんだか、不気味、ですね」


「ああ、薄暗いな」


ピチャン、ピチャンと雫が落ちる音が聞こえてくる。

洞窟というだけあって、その中は暗く、響く音が緊張感を増してくる。


『ご主人様、今のところ、近くに魔物の匂いはしません』


「ありがとう、カリン」


視覚が上手く働かないので、カリンの嗅覚に頼って足を進める。

こういう時、カリンの気配察知は本当に優秀だ。


「こういう時に光を扱える魔物がいればな、って思うな」


暗い中を歩くと光が欲しくなる。

カリンのおかげで安全は確保されているが、見えない視界はやはり違和感になる。


そう思い呟いた言葉だったが、それにティフィアが反応する。


「あ、そういうことなら、この子ならできるかもしれないです!」


「まじか?」


この子、とは当然赤猪(レッドエーバー)のこと。

当の本人は「ふご?」と情けない鳴き声を上げている。


「は、はい、この子は火を使える魔物なので多分。

エバ、できる?」


「ふご!」


エバというのは赤猪レッドエーバーの名前のことだろう。

エーバーを縮めてエバ。

割とそのままだが、スライムにライムとつけた俺の言えることではない。


ティフィアに頼まれたエバは、元気よく鼻を鳴らした後、ふんぬっ、と勢いよく炎を出す。

鼻の穴から。


「そこから出るのかよ……」


赤猪レッドエーバーは鼻の奥に炎の魔力が溜まっているらしいんです」


頑張ってふごふご言わせているエバの姿は若干哀愁が漂っているが、まるでロウソクを立てたように辺りが照らされたので、その仕事は立派である。


新たに視界を確保した俺たちはそのまましばらく歩みを進める。

そこで、『神秘の洞窟』初となる魔物とのエンカウントがあった。


「あれは……コウモリか?」


その姿は、過去に図鑑か何かでみたコウモリそのもの。

もちろん生で見たことは無いので確証はない。


「た、多分、Dランクの蝙蝠バットだと思います。

見るのは初めてですけど」


ティフィア曰く、蝙蝠バットは洞窟系のダンジョンにしか生息しておらず、眷属にしている魔物使いは希少なのだという。


希少、という言葉に弱いので仲間にしようかと考えたが、少し考えがあってティフィアに声をかける。


「ティフィア、あいつ仲間にするか?」


「え!?私が、ですか!?」


ティフィアも俺が仲間にすると思い込んでいたようで、驚きの声をあげる。


「理由は二つある。

一つ目はさっきも言ったけど、ティフィアの仲間を増やす必要があるということ。

Dランクなら、育てればいいところまで強くなるだろ。

二つ目は、コウモリっていうくらいなんだから、音に関する感覚は優れてるはずだろ?

俺にはカリンがいるから、ティフィアが仲間にするべきだ」


視覚聴覚嗅覚、全てに優れたカリンがいる以上、ここで蝙蝠バットを俺が仲間にするメリットはあまりない。


俺に褒められたことでカリンが『光栄です』と恥ずかしそうに耳を畳んでいるのが微笑ましく感じる。


「そういうことなら、頑張りますね!」


俺の理由を聞いて納得したティフィアが、気合十分とばかりに気を引きしめる。

そして、ティフィアと蝙蝠バットの戦いが始まった。


といっても、そこまで多く語ることは無い。


蝙蝠バットは暗闇の中では確かに視野が広い。

ただ、それはあくまで暗闇の中。

今は赤猪レッドエーバーが火の光で照らしているため、そもそもの条件として不利だ。


そして、赤猪レッドエーバーはCランク。

もちろんその主であるティフィアも、Cランク相当のステータスを兼ね備えていることになる。

Dランクの蝙蝠バットには荷が重いというわけだ。


それでも、空中を飛び回る蝙蝠バットになかなか手こずるようで、蝙蝠バット赤猪レッドエーバーの追いかけっこが行われている。


「エバ、そこ!」


ただし、それもティフィアの号令によって終わりを告げる。

追いかけっこをしていた二匹を上手く誘導したティフィアは、挟み撃ちをするように位置取る。


そして赤猪レッドエーバーが鼻から炎を噴出、蝙蝠バットの逃げ道を封鎖した所で、ティフィアが力ずくで捕まえることに成功した。


「や、やりました!

お師匠様!」


「お、おう、なかなかハートフルだな……」


蝙蝠バットを手にし大喜びするティフィアを遠目に眺めながら、その光景の凄まじさに呆然とするのであった。


感想ブクマ評価等貰えると書くモチベあがるので是非よろしくお願いします!

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