男の告白の結果について。
はい、更新大変遅くなって本当に申し訳ありません!!!!!
テストや諸事情諸々あったものの、言い訳にもなりません(><)
次からはペース早めますので許してください!
男の言葉に、一瞬、俺達の周りの時が止まる。
いや、時が止まったように感じる、が正しいが。
だが、そう思えるくらい、男の発言は突拍子もないものだった。
「さっき横顔をチラッと見た時、僕の頭にビビッと雷が走ったよ!その透き通るような肌にほんのりと赤く色づいた頬!優しそうな目元に柔らかそうな唇!いやぁ、こんな経験は初めてだ!これが恋というものなんだね!」
興奮したように、男は続ける。
それを聞いて、ハルノの顔がどんどん赤くなっていくのが目に入った。
おそらく、嬉しいというよりは恥ずかしいのだろう。
「優斗君、どうする?」
舞が、戸惑った様子でそう聞いてくる。
同じ女性として、思うところがあるようだ。
「そうだな…。
できることなら、人の恋路を邪魔する事はしたくないんだが…」
だが、そうも言ってられない。
ハルノは俺達の仲間だ。
冒険する以上、こんな場所で止まるわけにはいかないのだ。
「すまないな、俺達は旅の途中なんだ。
仲間を口説くのは、旅が終わったあとにしてくれ」
だから、俺は戸惑って俯くハルノの代わりに、男にそう告げた。
すると。
「分かった」
男は思っていたより素直に頷いてくれた。
俺は、そのことに心の中で安心していたのだが、
「じゃあ、僕もその旅についていくよ」
「!?」
その男のセリフによって、俺の脳内は若干パニックに陥ったのだった。
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「------とまあ、そういうわけで、俺達は旅をしているわけだ。
だから、一緒についてくるのは諦めてくれ」
キハイ王国のある飯屋。
俺はそこで、自分が勇者の仲間で別行動をしていること(実際は少し違うが)、ハルノ達と仲間になった経緯などを説明した。
勿論、黒竜を使役していることや、職業に『リア充』が存在することなどは説明せず、必要最低限のことしか教えていない。
だが、これで俺達がどれだけ大変な旅をしているのかがわかるはずだと思ったのだ。
しかし。
「でも、それって僕が一緒に行ってはいけない理由にはならないじゃないか」
「それはそうだが、もしかしたら死ぬかもしれないんだぞ」
「そんなことは百も承知さ。
それに、それを言うなら、そんな危険な旅に彼女が行くのが心配だから、余計についていきたいくらいだよ」
……恋は盲目、というのか。
ハルノに熱い眼差しを送りながらそう述べる男に、俺は思わずといったふうにため息をつく。
このままじゃ、どう頑張ってもついてくるルートになりそうな気がするんだよな。
別に、嫌というわけじゃないんだが、信頼できるかわからないやつを仲間に入れるのは抵抗があるし…。
と、俺の頭の中で、少し仲間に入れるルートも考えられ始める。
だが、そこで、ようやく思考が働いてきたのか、話し始めたハルノの言葉に、男は心を折られることとなった。
「えっと、気持ちは嬉しいんだけど、今は旅に集中したいっていうか…。
……ごめんね?」
本当に申し訳なさそうにそう告げるハルノ。
それで、しっかりと振られたと分かった男は机にひれ伏し、くぐもった泣き声をさせ始めた。
…………なんというか。
よく良く考えたら、俺がどうこうするより、最初からハルノの気持ちを聞いておけばよかったんだなと思った。
「まあ、そういうことで、悪いが諦めてくれ。
…………俺達はそろそろ行くよ」
「………」
男から返事は返ってこなかったが、俺は飲み物代分のお金だけを机に残し、席を立った。
少し心配そうな顔をした、舞とティフィアとハルノもそれに続く。
確かに、俺にも多少は罪悪感がある。
が、一目惚れというものは、長く続く場合もあれば、一瞬で終わる場合もあるので、もし一瞬の場合はついてくるあの男の方が不幸になると思い、俺はこのことを忘れることにした。
…………また、新しい恋を見つけれるといいんだけどな。
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▽
△
「なんか悪いことしちゃったかなぁ」
「い、いえ、あれは仕方ないと思います!
私なら、何も返せずに逃げちゃってたかもしれませんし……」
「そうだね。
確かに、いきなりああいうこと言われても、言われた方が困っちゃうよね…」
店を出てすぐに、ハルノが申し訳なさそうに肩を落とす。
それをティフィアが慰めるという、いつもとは逆の関係図が出来上がっていた。
え?
舞が落ち込んでたら誰が慰めるのかって?
そんなもの、俺に決まって…………って、今はそんな話をしている場合じゃない。
「みんな、そのことは一旦忘れるんだ。
覚えられている方が、向こうからしたらダメージが大きいだろうし」
今のあの男の気持ちを想像すると……なかなかにえぐい。
俺が舞に振られた場合ってことだから……うん、間違いなく死にたくなるな。
それなら、いっそのことその告白のことは忘れて欲しいと思うのも、無理はない。
「…………うん、私もその方がいいと思う。
こんな気持ちのまま旅をするより、楽しい気持ちでした方がいいと思うから」
俺の言葉に舞も同意する。
舞も俺と同様のことを想像したのだろうか、そっと俺の手を握ってきた。
その手を、俺も握り返す。
それを見た舞が、花が開くような笑みを浮かべたのを見て、俺は、こんなに可愛い生物がこの世に存在するのかと----
「……全く、いいことを言ってくれると思ったら、すぐにいちゃつくんだね。
本当に私のことを考えてくれてるのかどうか」
「「ごめんなさい」」
オレ達はすぐに謝る。
確かに、途中から脳内で話が脱線してしまった。
舞…………恐るべし。
「はぁ、まあでも、二人のおかげで、気は少し楽になったかな。
ああやって告白されるのは初めてだし、ちょっと戸惑っちゃったけど、二人の言うとおり、出来るだけ気にしないようにする」
「あ、ああ、それがいいと思う」
ティフィアも頷いているし、満場一致というわけで。
そうしてキハイ王国のギルドへと向かった俺達だったが、そこでまさかあんなことが起きるなんて、誰も想像していなかった。




