キハイ王国までの道のりについて。
この話から、改稿前にはない初投稿部分です。
うまく書けているか自信はないですが、これからも頑張っていきます!
さて、カラマ王国を出た俺達だったが、数分が経ってから、何故気づかなかったのかわからない重要なことに気づいてしまった。
「なあ、ハルノ」
「はい?」
「これって、どれだけ時間がかかるんだ?」
俺は、徒歩で林の中を歩いている現状を見てそうハルノに問う。
そう、当たり前だが国と国との間には果てしない距離が存在しているのだ。
何故俺達は移動手段をオウマに貰わなかったのだろうか。
「えっと、多分、半月くらい?」
「「えっ!?」」
衝撃の言葉が返ってきて、舞とティフィアが驚きの声を上げる中、俺は予想通りの答えにため息をつく。
「ハルノ、なんでそれをもっと早く言ってくれなかったんだ……」
「え?
いや、ユウトさんも知ってて、何か対策を立ててるのかなって」
「俺はカラマ王国から出るのが初めてなんだぞ?
キハイ王国が遠いかもしれないと疑問を持ったのも今が初めてだ」
本当に、市から市へと移動するくらいの感覚で出てきてしまった。
このままじゃ、たどり着く前に餓死にしてしまう。
「じゃあ、どうするの?優斗君」
「……仕方ない、近くまでアマルーナに連れて行ってもらうしかないだろうな」
「あっ、なるほど!アマルーナさんなら私達を運べるもんね!」
「そういうことだ」
正直、キハイ王国の国民に見られるかもしれないという疑念はあるが、それしか方法が見あたらないから仕方ないだろう。
「流石お師匠様です!」
………最近、ティフィアがなにかにつけて尊敬の眼差しを向けてくるのは何なのだろうか。
黒竜を移動手段に使うことに対してか、その方法を思いついたことに対してか……。
いや、まあそれはどうでもいいか。
「とりあえず召喚するから、少し離れていてくれ」
「うん、わかった!」
「はーい!」
「わ、わかりました!」
俺は3人が離れたのを見てから、アマルーナを召喚する。
「『召喚』“黒竜アマルーナ”」
瞬間、黒い巨大な渦が現れて、その中から、アマルーナが出てくる。
その眠たそうな顔を見るに、どうやらモンスターボックスの中で眠っていたらしい。
『む……、どうしたのじゃ?主殿』
「ああ、起こして済まなかったな。ちょっと、大変な事態になってな」
『む?……敵か!?』
そう言って反射的に体を起こすアマルーナを抑え、俺はことの次第を説明する。
『ふむ、なるほど。
つまり、妾がみなを背に乗せて連れて行って欲しいと言うわけかの?』
「ああ、簡潔に言うとそのとおりだ」
まあ、アマルーナからしたら、移動手段に使われるのだから、あまりいい気はしないだろう。
だから、こういう時は…。
『じゃがのう、いくら主殿の頼みとは言え、移動手段に使われるのは……。妾にもプライドがあるのじゃ』
「今度いくらでも一緒に戦ってやるから」
『よし、早く乗れい!
早くみなを乗せたくて妾はうずうずしておるのじゃ!』
安いプライドである。
俺とアマルーナのやり取りを見て、ハルノとティフィアが半ば呆然とする中、俺は真っ先にアマルーナの背に乗る。
そして舞も俺の手に掴まって乗ったところで、ようやく二人は我に返った。
「どうしたんだ?早く乗れよ」
「あ、えっと、はい!」
頷き、緊張気味にアマルーナに乗るハルノと、若干怯えながら乗るティフィア。
その二人の体をアマルーナがしっかりと支えたところで、アマルーナは空中に飛び立った。
「「きゃあぁあぁあぁ!」」
初めての空中飛行で叫び声を上げる二人。
俺は、流石に配慮が足りなかったなと、申し訳なく思いながら、舞の体をしっかりと支えていた。
△
▽
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「し、死ぬかと思ったぁ」
「ひっく……ひっく……」
「わ、悪かった二人とも。次からは気をつけるから!」
案の定、着陸した後は大惨事だった。
ハルノは腰を抜かすわ、ティフィアは泣き出すわで、俺も罪悪感でいっぱいだ。
そして、舞もまた、俺と同じように申し訳なさげに俯いていた。
『ふう、どうじゃ!速く着いたじゃろう?』
そんな中、自慢げにそう言うアマルーナに俺は叫ぶ。
「お前な!あんなに早く飛べとは言ってないだろ!ハルノとティフィアに余計なトラウマを植え付けてちまったじゃねーか!」
『え、わ、妾、いつも通りに飛んだだけなのじゃが……』
「それが早いって言ってるんだ!もう少し配慮をして………あっ」
そこで、俺は何を言ってるんだと気づく。
俺がアマルーナに頼んでおいて、こんなのはただの八つ当たりだ。
「悪い、別にアマルーナが悪いわけじゃないのに」
『……いや、すまんの。妾も、配慮が足りとらんかった』
なんとなく暗くなる雰囲気。
それを払拭したのは、ハルノの一声だった。
「怖かったけど、楽しかった!」
「『え?』」
「だって、あんな風に空を飛ぶのなんて、初めての経験でしょ?なんか新鮮で、楽しかったよ。
ね?ティフィアもそうでしょ?」
そのハルノの問いかけに、流石に頷かないティフィア。
「いいんだ、ハルノ。ティフィアは怖かったみたいだから、これからは安易にアマルーナを使わないようにする」
俺が反省の意味を込めてそう言うが、それを聞いたティフィアが慌てて俺の方を向く。
「ま、待ってください!」
「ん?」
「べ、別に怖かったわけじゃないです。少し驚いただけで……」
「そ、そうなのか?」
どう考えてもそうは思えなかったが、次のティフィアの言葉で俺は頷くしかできなくなった。
「私は、弟を助けるために強くならないといけないんです!
これくらいで怖がってたら、弟を助けられません!」
「……そうか」
その瞳に映る、強い決心を見て、俺も舞もホッとする。
そして俺も決意した。
「よし、じゃあティフィアを強くするために、どんどんアマルーナを使っていくか!」
「全然反省してないじゃないですかぁ!」
この後、舞に怒られたのは言うまでもない、
冗談だったのに…。
感想等よろしくお願いしますm(_ _)m




