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職業リア充で異世界無双。  作者: すみを。
第1章:カラマ王国編
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閑話:華凛の変化について。

カラマ王国に過去に無いほどの強さを持つ魔物が襲撃し、それをヨエナと呼ばれる男が撃退した。


その男は黒い竜を従えており、幾人もの魔物使いもその男に従っていた。


また、傍には美しい精霊使いもおり、国民への被害は0に終わった。


更に、その男はギルドのランクも、5人目のSランクとなった。


この知らせは、直ぐに各国へと広がり、『カラマ王国の英雄』であるヨエナの名は世に知れ渡ることとなった。




そして、クルーレルにいる一樹の耳にもその話は届く。


その話を兵士達がしているのを聞いた時、丁度鍛錬の合間だったにも関わらず、一樹は思わず安心したように床にへたりこんでしまった。


「よかった、優斗達は無事なんだな」


その独り言にも似た言葉に、一緒に鍛錬していた華凛が言葉を返す。


「ええ、そうみたいね。本当に良かったわ。

これで一樹も集中して取り組めるわね」


そのおどけた調子の言葉に、一樹は苦笑を返す。


華凛の言う通り、日を重ねるにつれて一樹の不安は増していき、鍛錬にも集中出来なくなってしまっていたのだ。


それも、『国民に被害はない』という言葉を聞いてようやく安心出来たようだ。


勿論、他人事のように言いながらも華凛が人一倍舞達を心配していたのは知っているので、一樹はそんな中で自分を励まし続けてくれた華凛に感謝をしている。


「それにしても、『ヨエナ』に『ミウ』ねぇ」


そんな事を一樹が考えていると、華凛がそう言葉を零し眉をひそめる。


「どうかしたか?」


「いえ、何となく聞いたことがあるような気がしてね」


「そう言われると………確かにそうかもな」


華凛の言葉に一樹は不思議と納得してしまう。


どこか、懐かしい感じがするのだ。


「まあとにかく、そのヨエナという人には感謝しないといけないな。

いつか会う機会があればいいんだが」


とりあえずその違和感は置いておいて、一樹はそう呟く。


「それ程の実力者だったら会う機会はあるでしょうね。もしかしたら一緒に戦うことになるかもしれないわね」


「そうだといいな」


一樹と華凛は主に、カラマ王国の出来事を中心に会話を進める。


その時だった。


「うっ………」


突然華凛が苦しげな表情を浮かべ始め、膝をついたのは。


その様子に、さっきまでの柔らかい雰囲気を直ぐに取り消した一樹は、華凛に鋭く声をかける。


「おい!華凛、どうした!?」


「………い、いえ、大丈夫…………よ……」


一樹の言葉に笑って返そうとした華凛だったが、それも長くは続かず、華凛はそのまま糸が切れたかのように床に倒れ込もうとする。


その体を慌てて抱きしめた一樹は、そのまま華凛を抱き抱えたまま、自分でもよく分からない感情を持ちながら急いで医務室へと向かった。



その時、華凛の首についている首輪が、一瞬不気味な光を放ったことに、気づく人は誰もいなかった。





「おい、聞いたか?」


「勿論。カラマ王国が救われたっていう話だろ?」


「そうそう。良かったよな、これで川口さんが生きていることが分かったんだし」


この会話をしているのは、一樹達とは別の場所で訓練をしているクラスメイトである。


上から上島剛うえしまごう田道裕也たみちゆうや宮村求みやむらもとむ、全員が全員舞に想いを寄せている、所謂、信者であった。


「それにしても、あいつはまだ生きてんのかねー」


そう言葉を零した剛に、裕也と求が続く。


「ああ、あの根暗野郎だろ?カラマ王国が救われたっていうんなら、あいつも生きてるんじゃないか?」


「俺もそう思う。

あいつがさっさとくたばっちまったら、川口さんもこっちに戻ってくるかもしれないのにな」


「本当にそれだよ。あんな奴に、川口さんは勿体ない!」


そして、彼らは陰で優斗を虐めていた張本人だった。


優斗自身、あまり気にしておらず、心配をかけないために舞や一樹にも言っていなかった。


それを知った剛達は、より酷い虐めを繰り返し、優越感に浸っていた。


勿論、優斗が標的にされた理由は舞と仲良く話しているからである。



「はあ、でもまぁ、多分また会う機会はあるだろうよ」


そう呟く剛に、裕也と求は同意する。


「そうだな。その時に、あんな雑魚とは違って、俺らの強さを見せつければいいんだ」


「おう。もしそうなったとしたら、誰を川口さんが選んだとしても恨みっこ無しだぞ」


「勿論」


既に舞と優斗が結婚していることを知らない剛達は、呑気にその時の事を考えて妄想に耽る。


そんな時。


「みんな!大変だよ!西本さんが倒れたらしい!」


突然、別の場所で訓練をしていたクラスメイトの野中慎吾のなかしんごが、息を切らしてやってきてそう言った。


その言葉に剛達は驚愕に包まれる。


当然だ。


舞がいなくなった今、クラスメイトの男子の心の癒しは既に華凛にあるのだから。


「どういうことだ!?」


「さあ、僕も分からないけど……。

一樹君が医務室に連れて行って、今、色々と試しているみたい」


「マジか……」


「おい、みんな!医務室に急ぐぞ!」


慎吾の言葉により一層心配を濃くした剛達は、さっきまでの会話を切り上げて、直ぐに医務室へ向かう。



そしてその先で見たのは、顔中に汗を張り付かせて苦しむ、クラスのアイドルの姿だった。





次の話から2章ですね

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