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職業リア充で異世界無双。  作者: すみを。
第1章:カラマ王国編
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未来へ。

「えっと………これはどういう事だ?」


俺は目の前に並ぶティフィアとみんな(・・・)を眺めてそう呟いた。


修行の約束の時間になって森まで来たはいいのだが、何故かティフィアだけでなくイノマ達もいたのだ。


しかも、全員少しワクワクとした表情を浮かべている。


「頼む、ユウト。俺達も一緒に鍛えて欲しいんだ」


その中で真っ先に俺の質問に答えたのはイノマだった。


その後、口々に「お願いだ!」とか「お願いします!」とか「何卒宜しくお願いします!」という声が聞こえてくる。


ちなみに最後のはチャーリーだ。


なんか、魔物の集団を倒した後辺りから物凄く態度が変わって、今では神様を見るような目で俺を見てくる。


最初の頃に比べたら違和感バリバリなのだが、まあそれはいい。


「ティフィア、どうしてこうなった?」


俺は少しビクビクしているティフィアにそう聞く。


「は、はい、その、私がユウトさんと修行すると言ったら、みんな付いて来たがったんです。

ダメだと言ったんですが、私では止められませんでした」


「………なるほどな」


まあ、ティフィアだけ贔屓するっていうのも良くないし、別に一人でも数人でも対してやることは変わらないから、別に構わないだろう。


「じゃあ、イノマ達も一緒にするか?」


「本当か!?ありがとな!ユウト!」


俺が肯定の言葉を言った瞬間に、イノマ達は弾けるような笑みを浮かべた。


正直、おっさんの笑顔なんぞ見たくもないのだが、断る理由もないしな。


「それじゃ、始めるけど、多分お前らが思っているようなことはしないと思うぞ?」


「「「え?」」」


よし、みんなの返事も揃ったことだし、早速始めるとするかな。





「えっとだな、正直、俺がみんなに出来ることなんか特にない。

そもそも、魔物使いは自身の能力値と眷属との絆で強くなるものだから、部外者が何かできるって訳じゃないんだ」


俺は本に載っていた内容を先生っぽくみんなに説明する。


イノマ辺りは何か言いたそうにしていたが、カールに無言の圧力で止められていた。


「だから、俺に出来るのはみんなの能力値を上げること、それと眷属との仲を深めること。

この二つの手伝いをする事くらいだ。

でも、それをするだけで多分相当強くなると思うぞ。

それでもいいか?」


俺がそう質問すると、暫く沈黙が広まったが、最初にティフィアがぐっと腕を握って言った。


「わ、わかりました!絶対に仲良くなって見せます!」


それを始まりに、全員が全員、意気込むように俺に「お願い」と頼み込んできた。


だから俺はそれに了承を返し、修行を始めた。





俺が召喚したカリンとライムが、ティフィア達とその眷属と対峙する。


「とりあえず、俺は人に教えるとか苦手だから、戦いながらカリンに教えて貰ってくれ。

ひとまずはカリン達に攻撃を与えることが目標だ」


俺の言葉にみんなは緊張したように頷く。


トーナメントでカリンとライムの強さはわかっているので油断はしていないらしい。


「カリンとライムも、なるべく手加減してやってくれよ。

それと、アドバイスもしてやってくれ」


『了承しました』


『………うん』

フェンリル姿のカリンと、体長1m程までに縮んだライムからそう念が届く。


「それじゃ、始めてくれ」


こうして、十数人の魔物使い達の訓練が始まった。




「それじゃ、こっちも始めるとするか」


俺はみんなからなるべく遠くまで離れてそう呟く。


ちなみに、舞とリースは今ハルノと買い物に行っているのでここにはいない。


ティフィア含む女子達はいつの間に仲良くなっているのだろうか?


そこが疑問で仕方がない。



まあ、それは置いておいたとして、とりあえず俺もやるべき事をやらないといけない。


「『召喚サモン』“ロプス、ゴルドラ、アマルーナ”」


俺がそう言うと、モンスターボックスからサイクロプスと虎と幼女が出てくる。


………うーん、何だかなぁ。


未だにモンスターボックスから幼女版アマルーナが出てくるのに慣れていない俺がいる……。


まあ、幼女のままモンスターボックスに戻す俺も悪いんだけどさ。



「ゴルドラ、少し頼みたいことがあるんだが、いいか?」


俺はまずゴルドラに声をかける。


『なんですかい!?親方!』


………うん、こいつの話し方もまだ慣れない。


俺はかなりの違和感を持ちながらも突っ込まず、ゴルドラに言う。


「俺はもうすぐこの国を出るつもりなんだが、ここに眷属を残しておく事にしたんだ。

それをゴルドラ、お前に頼みたいんだが、いいか?」


少しは嫌がると思っていたが、何故か嬉しそうにゴルドラは頷く。


「どうしてそんなに嬉しそうなんだ?」


『へい!だって親方!それはおいらを信頼してくれてるって事でしょう!?』


「……ああ、まあ、そうなるな」


『おいらは親方に信頼して貰えるのが嬉しいんですぜい!』


「………そうか、助かる」


何だか急にゴルドラが可愛く見えてきた。


俺がお礼がわりにゴルドラの頭を撫でていると、今度はロプスから念が届く。


『ご主人、おでも、残る』


「ん?どうしてだ?別に、残らないからといって、ロプスを信頼してない訳じゃないぞ?」


俺がそう言うと、ロプスは首を横に振る。


『ぢがう、おで、この国、攻撃した。償い、したい』


ああ、そういうことか、と俺は納得する。


つまり、アルナのせいだとはいえ、この国を襲撃したことを後悔しているって訳だ。


そういうことなら、俺に断る理由はない。


「わかった。じゃあ、ロプスもしっかりとこの国を守ってやってくれ」


『わがっだ。ありがど、ご主人』


よし、これで一息ついたところで、本題に入ろう。


「その為に、まずお前らは進化する必要がある。

ちゃんと調べてあるから、お前らが進化できることは分かっているから安心してくれ」


俺はそう言って、本に書いていた内容を思い出す。



〈Aランク〉

サイクロプス・・・能力:攻撃倍加、物理攻撃軽減、

進化後:〈S+ランク〉ギガンテス


〈Bランク〉

金虎ゴルタイガー・・・能力:咆吼、雷属性攻撃無効

進化後:〈S+ランク〉黄金虎キングゴルタイガー



「それで、その為にアマルーナも協力してやってくれ」


そして、俺はさっきから無視されていることに拗ねているアマルーナに声をかける。


「む、それはいいのじゃが、妾にも何かあっていいと思うのじゃが」


アマルーナからは、少し納得いかないという声が返ってきた。


もちろん、この答えは想定内だ。


だから、俺はアマルーナをやる気にさせることを考えたきた。


「分かってる。

だから、SSランクに(・・・・・・)なった俺が(・・・・・)お前と戦ってやるよ。

もしかしたら、そのまま暗黒竜に進化したりするかもな」


「よし、全て妾に任せておけ主殿!妾がビシバシ鍛えてやるからの!」


即答だった。


いや、自分で言うのもなんだが、それでいいのかアマルーナよ。


ビシバシとか言うから、ゴルドラ達が怖がってるじゃないか。


「じゃあ、頼んだぞ、アマルーナ」


「勿論じゃ!

ほら、さっさと始めるぞお主達!今日から妾が……………」



アマルーナ達が修行を始めたのを聞きながら、俺はぼんやりと空を眺める。



白い雲が流れ、青い空が広がっている。


そこに、地球のものと変わりはない。


だからこそ、俺は、無性に親に会いたくなっていた。


本当に、俺は元の世界に戻れるのだろうか……。


「いや、これじゃあダメだな」


絶対に戻らないといけない。


そして、他のクラスの人や近所のおばちゃん、何より家族に舞を紹介しないといけない。


自慢の奥さんです、ってな。


だから俺は必ず、オミスの言う条件とやらを達成してみせる。


その為に一樹達も頑張ってくれてるんだしな。



「よし、俺も頑張るか」


俺は改めて気を引き締め直して、カリン達の元へ向かう。


「みんな、俺も手伝ってやる」


「え、ちょまっ」

「ぎゃぁあぁ、ユウトさん、やめっ」

「そんなの、耐えれるわけがっ」


『はぁ、全く、ご主人様は………。

でも、楽しそうで何よりです』

『こくり』


カリンとライムの呆れの念が届くが、俺には聞こえていない。




(……それで俺は言うんだ。こんなに友達が出来たってな)


こんな考えは、誰にも聞かせられないけどな。


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