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職業リア充で異世界無双。  作者: すみを。
第1章:カラマ王国編
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ジョブについて。

本日1話目です!

西本が俺の過剰な反応を見て、不安そうにこっちを見てくる。


俺は正直に言った時のデメリットを考えて、最後の部分以外を包み隠さず西本に話すことにした。


「え!?じゃあその条件を果たすまでこの首輪は取れないの!?」


俺の説明に、西本は悲鳴に近い叫び声を上げる。


まあそれも無理はない。


『呪いの首輪』という名前だと知らなくても、まるで呪いのように感じてしまうだろう。


「………まあ、そういうことになるな」


「そんな…。首、かぶれたりしないよね…」


あ、心配するとこそこなんだ。


「大丈夫だろ。

多分その辺はちゃんと考えてくれているだろうし。

ん?考えてくれているよな?

いや、でもオミスだし……」


「お酢がどうかした?」


「いや、なんでもない、こっちの話だ」


この状況でお酢とか言わないだろ。


まさかお前まで天然とか言わないだろうな。


「とりあえず、その首輪は自然に条件を達成するまで無理に外そうとしない方がいい。何が起こるかわからないしな」


俺は西本にそう忠告する。


無いとは思うが、痒いからとかいう理由で力づくで外したりしたら取り返しのつかないことになってしまうだろうからな。


「……うん、わかったわ。

ってことは私、今のままじゃ何も出来ないってこと?」


西本が眉をひそめてそう言う。


「今は、まあそうだな。でも、何かしら出来ることはあるはずだから、それをしとけばいいんじゃないか?

川口も俺を手伝ってくれてるし、西本は一樹の手伝いでもすればいいと思うぞ」


「わかった!」


一樹の手伝いと聞いた瞬間、西本は一樹の方へ走っていった。


……わかりやすいやつだな。


まあおそらく、西本の願望っていうのは一樹絡みのことだろうし、一樹と一緒にいたら自然に首輪も外れるだろ。


俺はそう考えながら西本が走っていったのを見送った瞬間、さっきまでの疲労がどっと押し寄せてくるのを感じた。


流石に約40人分の支給品を調べるのは骨が折れる。


あとは、気になってる、『職業について』と『ステータス』だけだな。


5番は正直どうでもいいし、6番の『その他』もまだ見る必要はないだろう。


俺がそう考えたところで、川口から声がかかる。


「芝崎君、お疲れ様!」


「ああ、川口、そっちもお疲れ。手伝ってくれてありがとな」


「ううん!

私に出来ることって言ったらそれくらいしかないから!」


「いや、川口はみんなを癒してくれて……」


「えっ」


「いやなんでもない、忘れてくれ」


俺も相当疲れてるらしいな。


川口が顔を赤めているじゃないか、


俺は赤みがかった顔を誤魔化すように、わざと声を張り上げて言う。


「よし、じゃあ3番の『職業について』を見ていくぞ!」


「え、う、うん」


「職業には、種族を表す『固有ジョブ』と、役職を表す『通常ジョブ』と、稀に発現する『特殊ジョブ』の3種類が存在する。

『固有ジョブ』は、人族、獣人族、竜人族、巨人族というふうに、見た目でどのジョブを所有しているかがわかるものがほとんどであるが、例外として、君達の『異世界人』というものが含まれる。

また、固有ジョブの中にはステータスが上がったりと、効果を発揮するものもある」


なるほど、種族も職業に含まれるのか。


「『異世界人』っていうのはどんな効果なの?」


川口が聞いてくる。


それは俺も気になっていたところだ。


「んーと、『他種族の信頼を得やすくなったり等といった、特別な恩恵を手に入れることができる』だと。

てことは、『異世界人』だとこの世界の人にばらしてもいいのかもしれないな」


ちゃんと考えてるじゃないかオミス。


ちょっと見直したぞオミス。


「とりあえず、固有ジョブについては一旦置いといたとして、次は通常ジョブだな。

通常ジョブは、村人、戦士、魔法使い、鍛冶屋というふうに、個人の役割を表しており、『ジョブ』と念じることでの通常ジョブを確認することができる。

また、そのジョブによって出来ることが異なっており、稀に珍しいジョブが発現する者もいる。だと」


まあ、これが一般的な職業ってやつだな。


多分、産まれた時から発現しているんだろうけど、村人に産まれるか魔法使いに産まれるかって結構違うよな。


レアな通常ジョブについたら、それだけで勝ち組人生を送れるのかもしれない。


「よし、俺達の通常ジョブを確認してみるか」


「そうだね」


俺は少しの期待を込めて、ジョブと念じてみる。


『ジョブ』

__________

|通常ジョブ:魔物使い |

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

お、できた!


魔物使いか。


魔物を使役して戦うって感じだろうが、名前の響きからして強そうだ。


「芝崎君!私『精霊使い』だって!

なんか凄そうじゃない?」


だが、川口がそう言ってきて少し落ち込む。


明らかに『精霊使い』の方が強そうだからだ。


「俺は『魔物使い』だった。川口のはレアなジョブっぽいな」


俺は少しいじけながらも、表面には出さずにそういう。


すると、川口はそんな俺の内心に気づいたのか、くすりと笑いながら言ってきた。


「そんなの分からないよ。

もしかしたら魔物使いだって珍しいかもしれないから」


「……まあ、そうだな」


その言葉に少し安心する。


確かに、まだ詳しい情報が分かったわけでもないから、落ち込む必要も無いだろう。


もしかしたらどんな魔物でも従えれる!とかいうチート能力かもしれないし。


「もしかしたらジョブの詳細も載ってるかもしれないから、1回調べてみるな」


「うん!」


まずは精霊使いだな。


楽しみは後に置いておこう。


さ行さ行っと。


てかこの本全部名前の順で載ってんのな。


まあわかりやすいからいいけどさ。


「『精霊使い』はやっぱりレアジョブみたいだ。

数十万人に1人しかいないらしい」


予想通りだな。


精霊と呼ばれる存在がなんなのかは分からないが、名前の響きからしてレアっぽい感じだしな


「えっと、

他世界にいる精霊に干渉し、契約を結ぶことで精霊を扱うことが出来るようになる。なお、契約できる精霊の強さは、所有者の器に比例する。

また、精霊にも属性が存在し、扱う精霊によっては魔法を使えるようになる場合もある。だってさ」


つまり、せっかく『精霊使い』のジョブに産まれても器が小さかったら宝の持ち腐れってことだ。


実質、強い『精霊使い』だったら数百万人に1人くらいしかいないのかもしれないな。


「よかったな、強そうなジョブじゃないか」


「うん!

でも、精霊に干渉するってどうするのかな?」


川口が首をかしげながら聞いてくる。


その仕草に一々ドキドキしながら、俺は答える。


「どうやら精霊が存在する場所っていうのがあるらしいな。そこで精霊を強く呼ぶんだと。そしたら干渉できるんだってさ」


つまり、その精霊の存在する場所に行かなかったら、川口が出来ることは無いってことだな。


こ、これは俺が守ってやらないと!


俺が変な使命感に駆られていると、川口がまた落胆したように肩を落とす。


「じゃあ私、まだ何も出来ないんだね…。

足でまといになっちゃったらどうしよう…」


「まあ、その場合は俺が守るよ」


「えっ!?」


あ、思わず考えていたことをそのまま口に出してしまった。


そもそも魔物使いが強いのかも分からないのにな。


それに、一樹に守ってもらった方が川口も嬉しいだろ。


俺がそんな風に考え、訂正しようとすると、川口が照れ笑いを浮かべながら頷く。


「えへへ、ありがとう、芝崎君」


………まあ、川口が喜んでくれてるんならいいかな。


俺は川口の言葉で弾んでいる気持ちを誤魔化すように、「ああ」とだけ言ってから目を本に移す。


次は魔物使いを調べてみよう。


俺は「頼むから強い職業であってくれ」と内心で思いながら、『魔物使い』の場所を探す。


名前の順なだけあって、マ行で調べたらすぐに見つけることができた。


俺はそのまま魔物使いの詳細を読んでいき………


そして固まった。





……おいおい、嘘だろ?

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― 新着の感想 ―
[一言] 無能の魔物使いなら貧弱でも仕方ないんだろうけど、育てることを考慮した場合強くなるかもだし、モフモフできるし、相手に譲渡できれば商売もできるし、魔物園作っても稼げるし有能だと思うけどね(笑)異…
2020/07/24 17:03 退会済み
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