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職業リア充で異世界無双。  作者: すみを。
第1章:カラマ王国編
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凄惨な戦場について。

「……これは……想像以上だな……」


俺達が前線に辿り着き、最初に見たのは、見たことの無い多数の魔物が兵士達を蹂躙している光景だった。


凄惨、それ以外に表現しようのない光景に、俺と舞を含め全員が息を呑む。


「マジかよ……Cランクの魔物がうようよいやがるぞ……」


イノマの言う通り、戦場にはDランクどころか、CランクやC+ランクの魔物まで揚々と兵士狩りをしていた。


一瞬呆けてしまっていたチャーリー達も、その現実を見てこの世の終わりのような顔をしている。


アマルーナとの戦いを経た影響か、比較的早く立ち直った舞が俺に聞く。


「どうするの?優斗君」


「うーん、そうだなぁ。

……ここまでの数だと少々強引な手を使うしかないよなぁ」


その言葉でピンときた舞は苦笑いを浮かべる。


「それは……兵士さんを巻き込まないようにしてね?」


「ああ、一応伝えておくが、まあ、確証は出来ないだろうな」


「うん、確かに、戦闘大好きだもんね」


あいつをこの場に出した後の光景が手に取るようにわかる俺と舞は、イノマ達とは違う意味で不安でいっぱいになる。


そこで、ようやく現実に戻ってきたティフィアが慌てたように言ってくる。


「ゆ、ユウトさん!ど、どうしてそんなに落ち着いているんですか!?」


「ん?いや、そんなに焦るような量でもないだろ」


俺の返事を聞いたティフィアは「何言ってんのこいつ」みたいな表情を浮かべる。


なんかムカつくな。


「とりあえず、まずは兵士を退かせないと話にならないな。ケイゴ、俺を団長のとこに連れていってももらえないか?」


「うーん、一応言ってみるけど、多分聞かないと思うよ?」


「まあ大丈夫だ、その場合は力づくで退いてもらうから」


「……ほどほどに頼むよ?」


大丈夫大丈夫、軽く魔力を流して威圧するだけだから。


別に、Sランクの本気威圧を喰らっても死ぬことはないだろうしな。


「本当にほどほどに頼むよ??」


どうやら顔に出ていたらしい。


少し引いた感じのケイゴに「大丈夫だ」と伝えて、団長の元に連れていってもらう。


「あ、そうだ、リース」


とその前に。


『何?』


「もしかしたらこっちに魔物が来るかもしれないから、絶対に舞と、あとついでにティフィアだけは守ってくれよ」


『そんなの、当たり前じゃない!』


「ああ、そうだな、じゃ、頼んだ」


舞以外には俺が突然空中に話しかけたように見えたのだろう。


一様に変な表情を浮かべている。


「それじゃ、とりあえず団長のとこに行ってくるから、その間、お前ら自分の身だけは守っとけよ」


「お、おい、まじかよ、Cランクとかに襲われたら俺達、ひとたまりもねえぞ?」


「まあ、その場合はリースが守ってくれるはずだし………『召喚サモン』“カリン”」


俺はカリンを召喚する。


「もしもの時のために護衛としてこいつらについてやっててくれ」


『了解しました』


カリンから念が届く。


「カリンを置いとくから、それで安心だろ?」


「……そうだな、まあ、ワーウルフが仲間になるってんなら、心強いな」


イノマ達も納得してくれたみたいだしいいだろう。


「そうだ、ティフィアは出来るだけ舞の近くにいてくれ。リースの範囲外に出られたら困るから」


「わ、わかりました。

……そ、その、リースさんは、どちらに…?」


「ああ、そうか、見えないのか。

リース、ティフィア達に見えるようにしてやってくれ」


『わかったわ』


そう言った途端にティフィア達が「うわっ!」と声を上げる。


「そいつが精霊のリースだ」


「………精霊?ユウトさんは魔物使いじゃあ……」


「ああ、そいつは舞の契約精霊だぞ?俺の言葉に従ってるだけで」


『そんなの、竜を倒しちゃうやつに逆らったらどうなるかわからないじゃない』


心外だな、俺は仲間と思ってる奴に酷いことをする気は無いというのに。


ちなみにこのリースの言葉は念で送られてきている。


「精霊、ですか……わ、私、初めてみました」


「お、俺達もだな」


どうやら全員精霊を見るのは初めてのようだ。


まあ、精霊使いは珍しいらしいから、そんな簡単に見られても困るんだけどな。


「まあ、というわけで、俺は行ってくるから、その間死なないように頑張ってくれ」


「は、はい、わかりました」


「おう、わかったぜ」


ティフィア達の返事と共に、俺とケイゴは歩き出した。



「それで、団長はどこにいるんだ?」


「えっと、僕が出た時と場所を変えてなかったらここから10分程度の場所だと思うけど……」


「そうか、時間が惜しい、少し抱えるぞ」


「抱えるぞって……え!?」


俺はケイゴを背中でおぶるように持ち、振り落とさない程度の速度で走る。


そして一分後に到着した時、そこに広がっていた光景に目を疑った。


そこは正に地獄だった。


兵士が泣き叫び、逃げ惑い、そして殺される。


この世の終わりと呼べる景色がそこにはあった。


「これは……本当に兵士は生きているのか?」


「……………」


返事がないことを不思議に思ってケイゴの方を見ると、ケイゴは目に涙を浮かべながら下唇を血がにじむほど強く噛んでいた。


それを見て、俺はようやくケイゴがどのような気持ちでここまで来たのかに気づく。


通った道の中には、ケイゴの知り合いもいたのだろう。


それでも、必死にそれに耐え、ここまでやって来たのだ。


それなのに、この光景はあまりにも酷いと言える。


「ケイゴ……その、悪かった」


俺が思わず謝ると、ケイゴはゆっくりと首を横にふる。


「…だ、大丈夫、だよ。こうなってることは、覚悟、してたから…。それに、ユウトが、助けてくれるんでしょ?」


その期待感に彩られた目に、俺はしっかりと頷く。


「じゃあ、大丈夫だよ」


「そうか……」


強いな、と心の中で思う。


俺はなんやかんやでいきなり強い力を手にしてしまったが、精神力ではケイゴに負けているだろう。


「く、来るなぁ!!」


そんな俺の考えは男の叫び声によって遮られた。


声のした方向を見ると、一人の兵士が三mほどの大きさの金の虎に追い詰められている様子が目に入った。


その兵士の顔には見覚えがあった。


アルナが変装していたので見た団長だ。


「だ、団長!」


ケイゴが叫ぶ。


俺はそれを聞いた途端、ケイゴをおろし、全速力で団長の元に走り、団長を掴んでケイゴの元に戻った。


金の虎の攻撃が空ぶっているのを見て、ケイゴと団長は唖然としている。


「よし、間に合ったな」


「いや……普通は間に合わないと思うんだけど………でも、その、ありがとう、ユウト」


「これくらい礼はいらないよ」


「ど、どうなっているんだ!?」


俺とケイゴの会話でようやく正気に戻った団長が慌てて聞いてくる。


「ああ、そうそう、団長に話があったんだ」


「話…だと?」


「ああ、この戦いからとりあえず身を引いてほしいんだ。邪魔だから」


「…っな!」


あまりにも歯に衣着せぬ物言いに団長は言葉を失う。


「だってそのとおりだろ?あの程度の魔物に手こずってる様だったら、足でまといにしかならない」


「あ、あの程度だと!?お前は何も知らないから言えるんだ!あいつはBランクの-----」


「聞こえなかったか?Bランク程度(・・)って言ってるんだ」


俺が僅かに殺気を乗せた威圧をすると、団長はそれ以上何も言わなくなった。


「わかったんだったら、今すぐ生き残っている兵士に撤退するように言え。そうだな、「救世主が来たぞ!」とでも言えばいい」


俺がそう言うと、団長はコクリコクリと頷いて兵士に命令を出しだした。


俺はそれを見ながら手当り次第に兵士の周りの魔物をグーパンチで吹き飛ばしていく。


倒す毎に頭に『眷属にしますか?』という念が届いたが、全て『いいえ』を選んでひたすら魔物を駆逐していった。


ケイゴが「あれ?ユウトって、魔物使いだよね?」と言っている声が聞こえたが、とりあえず無視だ。


そして、兵士の撤退が済んだ後、俺はケイゴを連れてもう一度舞達の元に戻った。


ケイゴの滲みでるヒロイン臭……


ボーイズラブはないのでご安心を

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