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職業リア充で異世界無双。  作者: すみを。
第1章:カラマ王国編
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決勝戦について。

ライムが熊鰻ブラックベアーに突進していく。


それを熊鰻ブラックベアーは右に避けて腕を振り降ろそうとするが、ライムはその直前に勢いを殺し、方向転換をした。


ほぼ直角に曲がったライムに熊鰻ブラックベアーは反応できず、お腹にまともに突進を受けてしまう。


だが、熊鰻ブラックベアーは少し怯んだものの、すぐに立ち直ってライムをなぎ払おうとするが、ライムはそれを辛うじて避ける。


そしてもう一度互いに向き合ったところで、観客席から一斉に歓声が聞こえた。


『凄い攻防だ!ユウト選手対イノマ選手!Cランクの熊鰻ブラックベアーを相手に、Eランクのスライムが互角以上の戦いを見せているぞ!

これほどの戦いを私は見たことがない!素晴らしい!』


実況も中々興奮しているようだ。


「意外に、魔物使いって凄いんだな」


「うん、スライムをあんなに強くするなんて」


観客席からそんな声が聞こえることに満足していると、イノマが少し焦ったような表情で俺に問いかけてきた。


「お前………それ、ただのスライムじゃねーだろ」


「ん?わかるのか?」


「いや、詳しくはわからねーが、スライムの上位種ってとこか?そんな動きをするスライムを俺は見たことがねえ」


流石魔物使い最強(俺を除いて)なだけあるのか、イノマはどうやら気づいたようだ。


だが、それにも答える義理はない。


「さあな、まあ、今はそんな無駄口叩いてる暇はないんじゃないか?」


俺がそう言った途端に、ライムが先程より一段階早いスピードで熊鰻ブラックベアーに突進する。


熊鰻ブラックベアーが辛うじて避けるが、ライムはその瞬間にまた方向転換をして熊鰻ブラックベアーに突進する。


だがその瞬間、道連れとばかりに熊鰻ブラックベアーが腕を振り落とそうとしたので、仕方なく俺はライムに短く指示を出した。


「ライム、『分裂』」


振り落とされた腕を避けるようにして、ライムが二体に分かれる。


そして、挟むようにして左右から同時に突進したところで、熊鰻ブラックベアーは地に倒れ付した。


消えはしないものの、もう立ち上がることすら出来なさそうだ。


「……審判、べリアを入れ替える」


イノマが『応召リターン』“べリア”と言って熊鰻ブラックベアーを『モンスターボックス』に戻したところで、より一層大きい歓声がフィールド内に響き渡った。


熊鰻ブラックベアー対スライムの戦いはユウト選手のスライムに軍配が上がったぁ!

し、しかも今、スライムが分裂しなかったか!?

そんな話は聞いたことがないが、まあ、ユウト選手のスライムなら出来そうだ!』


いや、どういうことだよ。


いつの間にか俺万能説が出始めていることに戸惑いつつも、俺は舞たちの方へと目を向ける。


そこには、喜び笑顔で手を振っている舞と、俺がスライムで勝ったことに驚いたのだろう、困惑の表情を浮かべたハルノとティフィアがいた。


俺はティフィアが無事に合流出来たことに安心しながら、軽く舞たちに手を振る。


そしてもう一度イノマに向かい合った。


「それで、二体目はどうするんだ?

まさか、熊鰻ブラックベアーより強い魔物がいないとか言わないよな?」


「………はっ、そんな訳が無いだろうが。

いいぜ、俺の本命を見せてやるよ」


そのハッタリには見えない表情に、俺は少し楽しみに思いながらイノマの召喚を待つ。


今や、観客席もほとんど静まり返っており、イノマの二体目の魔物を今か今かと待ちかまえていた。


「『召喚サモン』“バルナ”!」


イノマがそう言って召喚したのは、体長1m50cm程のライオンの魔物だった。


『な、なんとイノマ選手!C+ランクの百獣リオンをここで出してきた!

いつの間にC+ランクの魔物を眷属にしていたんだぁ!?』


その実況の言葉に、再び観客席から「うぉぉぉぉー!!」という歓声が響いた。


「こいつは俺の持ってる中で最強の魔物だ。

こいつを眷属に出来たのは奇跡だと思えるくらいに強い。そのスライムで勝てるか?」


確かに、このライオンから伝わってくる威圧はアマルーナを除いたら今までで最大だった。


ライムには荷が重いかもしれない。


だが


「審判、俺も魔物を交代したい。いいか?」


CランクにはCランク、C+ランクにはC+ランクだ。


俺は審判にオッケーを貰ったのと同時にライムを『モンスターボックス』に戻す。


「『召喚サモン』“カリン”」


そしてC+ランクのワーウルフであるカリンを召喚した。


「そいつがワーウルフか………」


「ああ、これでお互いC+ランクの魔物だな。

条件は同じだ。んじゃ、始めるか」



こうして決勝戦、最後の戦いは幕を開けた。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜



「ぐあっ!」


「な、なんだよこの強さは!?」


その頃カラマ王国門前では。


魔物達の進行を兵士達が必死にくいとめていた。


「こいつら、今までのやつらと桁が違うぞ!」


「くっそ、このままじゃ俺達が全滅しちまう!おい!誰か王様に報告してこい!今は闘技場にいるはずだ!」


「わ、わかりました!」


隊長が部下に向けて命令をだす。


命令を受けた兵士は、必死に闘技場に向かって走り出した。


「くっそ……どうなってやがんだ……」


しかし、隊長はその疑問を解消する暇はなく、必死に魔物を食い止める。


「さっさと戻ってこいよ、ケイゴ(・・・)


隊長は報告に行った兵士が早く戻ってくることを願いながら、次々に押し寄せる魔物を必死に狩っていく。


「ちょ、マジかよ!」


「嘘だろ………?」


そこで兵士達の呆然とした声が耳に届き、隊長は振り返る。


そこには


「ガァァァァァァァッ!!!」


脅威と呼ばれるBランクの魔物、金虎ゴルタイガー


「………………」


絶望と呼ばれる、Aランクの魔物、サイクロプスの姿があった。



「マジ………かよ…………」



そして兵士達の蹂躙が始まった。


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