対黒竜4:魔法について。
本日2話目です
「『召喚』“ライム、カリン”」
俺はまず眷属を召喚する。
ライムはスライムマン、カリンはワーウルフになっており、それぞれ体が大きくなっているようだ。
進化したおかげで何か能力が増えているかもしれないな。
「ライム、カリン、今のお前らだったらまだアマルーナには太刀打ちできない。
だから、舞とリースを守っておいてくれ」
リースがいくら四大精霊と言っても、力を使い切った今、アマルーナの攻撃に耐えることは出来ないだろう。
俺は特に返事を期待せずアマルーナに視線を移動させたところで
『御意』
『了解しました』
ライムとカリンから念が来て驚いた。
「お前ら、話せるようになったのか!?」
『ご主人様にのみ念を送ることが可能となりました。これからよろしくお願いいたします』
カリンが代表として話す。
俺は眷属が話せるようになったことに純粋に喜びを感じていた。
「ああ、よろしくな!この戦いが終わったらゆっくり話そう」
『それは死亡フラグというものではないですか?』
何を言ってるかわからないなぁ。
なぜその言葉を知っているのかという疑問はあるが、聞こえないものは聞こえないのだ。
『いつまで妾を無視するつもりじゃ!1人で喋りよって』
痺れを切らした竜が、俺にブレスを吐いてくる。
傍から見ると一人で喋っているように見えるみたいだ。
俺がそのブレスを軽く避けながらどうするかなぁと考えていると
『ご主人様、眷属との会話は念じるだけで可能でございます』
と、さらっとカリンが有益な情報をくれた。
『えっと、聞こえるか?』
『こくり』
『はい、聞こえております』
ライムが頷き、カリンが返事を返す。
本当だ、念じるだけで可能みたいだ。
ライムはどうやら話すのが苦手みたいだな。
『んじゃ、頼んだぞ』
『こくり』
『了解しました』
ライムとカリンが舞とリースの近くへ跳んでいく。
俺はそれを見て安心して戦いに臨み始めた。
さて、まずはどうやってダメージを与えるかだが…
最初はブレスを封じる為にもあれで行くか。
「アマルーナ、お前にはブレスと尻尾以外の攻撃手段はないのかよ。そんなんじゃ、一生当たんねーぞ」
『ふんっ、そんな挑発になど乗るか。
ブレスを避けることしかできぬお主はいずれ体力が尽きる。そうなれば妾の勝ちじゃ!』
アマルーナがブレスを溜め始める。
…………よし、かかった。
俺はアマルーナがブレスを溜め始めたのを見てすぐに、目にも止まらぬスピードでアマルーナへと近づき、真下から顎を打ち抜いてすぐにその場を離れた。
要はさっきライムやカリンとやったのの一人版ってことだ。
当然、アマルーナの口内で再度暴発が起き、アマルーナは苦しげに呻き声をあげる。
「避けることしかできないと思ったら大間違いだ。
お前のブレス攻撃はもう見切ったんだよ」
俺は敢えてアマルーナを挑発する。
『くっ、じゃがブレスを撃たなかったいいだけの話。これはよけれるかの!』
アマルーナが俺に尻尾攻撃を放ってくる。
ほんとに、ひっかかりやすいやつで助かった。
本音を言えば、さっきのはアマルーナの不意をついたから成功しただけで、同じことをもう一度すれば俺は間違いなくアマルーナに尻尾でなぎ払われていただろう。
要は、ハッタリをかましたってやつだ。
実際、アマルーナが尻尾とブレス両方で攻撃してきていた場合、アマルーナの言う通り俺の体力が尽きていた可能性が高い。
だが、それが尻尾攻撃だけならば話は別だ。
俺はなぎ払いが来た方向へ思い切り足を蹴りあげる。
凄まじい衝撃が体を襲うが…………防御値がSランクになった俺には耐えられないほどではない。
俺はそのまま尻尾の勢いを殺し、アマルーナの懐へと潜り込んでお腹の部分を思いっきり殴ってやった。
『そんな攻撃、痛くも痒くもないわ!』
しかし、あまり効いた様子はなく、アマルーナが前足を俺の頭上へ振り上げる。
俺はそれをかろうじて回避した。
まじかよ、攻撃値もSランクなんだぞ?
どんなけ防御力異常なんだよ。
『お主の攻撃など妾に効かぬ。それに対し、妾の攻撃が一発でもお主に当たればお主の負けじゃ。
さっさと諦めたらどうじゃ?』
「はっ、攻撃手段が他にもないと思ってたら足下すくわれるぜ?」
俺は自身ありげにアマルーナに言い返すが、正直厳しい状況だ。
さっきの攻撃が効かなかった以上、俺の攻撃で効くとしたら、かかと落としかエルボか踵落としかカカト落としくらいなものだ。
でも、それも体勢を崩さなければ当てれない。
俺がかなり厳しい状況に焦っていると、カリンから念が届く。
『ご主人様、魔法は使われないのですか?』
『魔法か?俺に使えるのか?』
俺もアマルーナに聞こえないように念で返す。
その間にもアマルーナは尻尾や足で攻撃してきているが、避けるだけならまだ容易い。
『はい。ご主人様の魔力量ですと、かなり強力な魔法も使えるかと思います』
『本当か!だけど、魔法の使い方がわからないんだよな』
『簡単にですがご説明いたしましょうか?』
『マジか!頼む!』
俺はちゃんと本を読んでいなかったことを後悔しながら、本気で喋れるようになったカリンに感謝する。
『まず、魔力とは血液と同様に、普段は体全体を循環しているものです。しかし、血液とは違い、意識することで魔力を一箇所に集中させることができます。その魔力の集中を手に行うことによって、魔法を発生させることができるのです』
『そういうことか。その、魔力の集中ってやつはどうすればいいんだ?』
『体の一点に自分を集めるイメージです』
『へー、ちょっとやってみるか』
『いえ、そんな簡単に出来ることでは----』
俺は、ゲームでひたすらリセマラをしているような要領で、無心になって右手に自分自身を集める。
すると、俺の右手が微かにだが光りだした。
『お、カリン!こんな感じか!?』
『……え?あ、は、はい。流石はご主人様です。普通はコツを聞いたりしないと出来ないのですが』
『まあ、こういうのは慣れてるしな』
俺がどれだけリセマラしたか。
それにループ作業をした回数も物凄いはずだ。
『そこから何かをイメージしていただくと、そのイメージしたものが魔法として発現するという感じです』
『なるほど』
イメージしたものが全て再現できるかは魔力の強さによるってことかな。
そこで俺は1つ疑問に思ったことを聞いてみる。
『これって、手じゃないとダメなのか?』
『ダメというわけでは無いと思いますが、相当に練習をつまないと厳しいかと』
『まあ試しにやってみるか』
俺はゲームでよくやる無意識モードを発動させる。
これはループ作業をひたすらするようなレベルではない。
画面を見ていたら体が勝手に動くっていうあれを完全に習得したバージョンだ。
これを習得した時は嬉しかったなぁ。
一緒に喜ぶ友達いなかったけど。
とりあえず、俺は体全体の魔力を活性化させるようなイメージ、つまり、潜在能力的なものを覚醒させる様な気持ちで集中し始める。
すると、俺の体全体が光の粒子を浴びたように輝き始めた。
『お、いけたぞ!案外やったら出来るものだな!』
『……ご主人様は凄すぎです。足に魔力を集めるならまだしも、体全体を覆う魔力なんて見たことがありません』
『ん?そんなに凄いもんなのか?』
簡単に出来てしまったからイマイチ実感がわかない。
『はい。どれほど魔力の使い方が上手い人でも、体の二部分を覆えれば御の字かと』
『ふーん、そうなのか』
まあ、この世界にゲームがあるとは思えないし、仕方ないのかもしれない。
とりあえず、俺はカリンにお礼を言っておく。
『んじゃ、さんきゅ、カリン』
『いえ、お役に立てて嬉しいです』
うわー、カリン可愛すぎ、後でなでなでしてやろう。
ということで、カリンに魔法の使い方を聞いた俺は試しに魔法を使ってみることにした。




