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ある姉弟の会話

姉弟パラレル

作者: 灰色

弟「おはようございます。姉さん」


姉「……おはよう、ございます」


弟「どうしました、姉さん。昨日は良く眠っていると思いましたが、寝不足ですか」


姉「何故、弟君が私の横で寝ているんだろうと思ったんです」


弟「姉さんの寝顔を間近で見たいと思いまして。あぁ、安心してください。何も疚しいことはしていません」


姉「当然です。と、いうよりもさらっと問題発言が混じりましたか」


弟「僕は軽い男では無いので、自分が20歳になるまで耐えますし、きちんと段階は踏みます」


姉「いえ、そこまで聞いてません。と、いうより段階を踏んで欲しく有りません」


弟「いきなり寝込みを襲ってもいいというのですか?」


姉「違います」


弟「起きているときに襲えと」


姉「先ず襲うという前提を無くしてください」


弟「あぁ、そうですよね。最初は合意の上でが理想ですよね。その方が僕も嬉しいです」


姉「……どうして私の部屋に入ってこれたのですか?」


弟「同じ家族ですから、細工する時間は幾らでも有ります」


姉「細工したことを否定はしないのですね。最低なのか、正直なのか。あぁ、最低で正直なんですね」


弟「最低ですか?そうでしょうか。利用できる物は利用するべきですよね」


姉「……取り敢えず、腕を離してください」


弟「嫌です」


姉「逃げませんから」


弟「はは。信じると思っているんですか?」


姉「……こういう時だけ笑うんですね。初めて見ました」


弟「姉さんは、こういう時でも表情を変えませんね」


姉「此れでも昔に比べれば、外で演技できるようになっただけマシですよ。昔は良く怖がられたものです」


弟「へぇ。そいつら殺してやりましょうか」


姉「そこまで求めて居ません。と、いうよりですね」


弟「はい」


姉「私が弟君を好いている設定の時、私は此処まででは無かったと思うのですが」


弟「あぁ、本来の性格は変わり有りませんから。僕に好きになる相手が居れば、こうなります。本編では異性として好きな相手が居ませんから、解りにくいかも知れません」


姉「……結婚する相手が大変ですね」


弟「そうかもしれませんね。姉さん頑張ってください」


姉「この状況は何時まで続くんですか?」


弟「お話が終わるまでです。出来れば僕はずっと此のままでいたいですが」


姉「困ります」


弟「どうしてですか?」


姉「お手洗いに行けませんし、ご飯も食べられません」


弟「お手洗いですか。手を繋いだままで良ければ、いいですよ。ご飯は僕が用意して、食べさせましょう。鍵付きの目隠しをした状態でになりますが」


姉「……どうしてそこまでするんです?」


弟「姉さんは僕が好きではないでしょう?解ってはいるんです。だからこそ、逃がしたく有りません」


姉「もし、逃げたらどうなりますか?」


弟「逃がしません」


姉「……もし、と言いました」


弟「そうですね。死にます」


姉「……私が?」


弟「いいえ。僕が、です。なるだけ無惨な方法で死にます。遺書には姉さんへのありったけの想いを綴ります。一生心に残るように頑張って書きます。ちゃんと読んでくださいね。捨てないでくださいね。恨みますよ」


姉「……呪いですね」


弟「おまじない、ですよ。ほら、良く、女子がやるでしょう?」


姉「可愛くないです。全然、可愛くないです」


弟「ふふ。ふふふ。貴方が死んでも構わないとは、言わないんですね。姉さんって、優しいですよね。好きです」


姉「此処まで嬉しくない告白は初めてです」


弟「嬉しい告白が有ったんですか。何処でですか。何処の人間ですか」


姉「ぁの、痛いです」


弟「あぁ、すみません。舐めましょうか?」


姉「結構です」


弟「人を好きになるって、いいですね。今までに無い感情ばかりが沸いてきます」


姉「弟君の場合、少々特殊の様な……と、いうより此のままだと監禁コースでしょうか。自宅に監禁……笑えないです。えぇと、どう、しましょうか――――」








弟「――――姉さん、起きてください」


姉「――――は、はひっ!?」


弟「もうお昼ですよ。寝坊とは、珍しいですね。早起きが姉さんの唯一の美点だったというのに。此れではもう、汚点しか残りませんね。嘆かわしい限りです」


姉「……弟君が冷たいです」


弟「そうですか?普通でしょう?」


姉「……はい。普通です。良かったです。弟君の冷たさが胸に染みます」


弟「姉さん、どうしたんですか。何時も以上に気持ちが悪いですよ」


姉「いえいえ。お気になさらないでください。やっぱり私は、こっちの弟君の方が好きです」


弟「あぁ、やはりそうでしたか。じゃあ此れからはそうしますね。姉さんに好かれなければ意味が無いので」


姉「…………はい?」



弟「――――まだ『お話』は終わっていませんよ。姉さん」

















弟君も相手を好きになったら変な方向に行くんじゃないかなーと思ったら、姉さんを更に拗らせた方面に行ってしまった。


まぁ身内だからね。似るのはしょうがないね。其れにしても、弟君が姉さん以上に気持ち悪くなるとは思わなかったぜ。


実際こうなったら姉さんは喜ぶよりも先に戸惑って、どうしていいか解らないまま、ずるずると一緒になりそう。


自分から行くのは平気だけど、相手から来られると固まる姉さん。マジヘタレ。


そして姉さんはネタとして笑えるのに、弟君は何か洒落にならない

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