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第六十六話 仲良しの二人組……?

はい、どうぞ。



 死体だらけのジガルド街に立つ二人組がいた。

 その二人組はこの戦いでの勝者であり、街にいる人を殺し尽くしたのだが…………




「あはっ、ヨハン〜?」




 ウサ耳のミーラは額に青筋を浮かべていた。何故、怒っているというのは…………




「敵、見方関係なく対象されるなら先に言って置きなさいよぉぉぉ!!」


 広域滅殺魔法、『彼岸花死紙フロワーデス』は味方さえも対象してしまう魔法なのだ。

 ミーラは発動瞬間、それに気付き、とっさに防御結界を張り防いでいたから無事だったのだ。

 もし遅れても、ミーラの生命力は高いから、少し奪われるだけで済むが、前以まえもって話して貰いたかったのだ。




「そういえば、言ってなかったな」


 何でもないように上空に放った紙、今は大きな彼岸花の形をしているが、その彼岸花がだんだん小さくなってビー玉みたいに丸くなってヨハンの手に落ちていくのを見るだけ。




「あはっ? 謝罪もないなんて、ヨハンは死にたいのね……?」


 謝らないヨハンにさらに青筋が浮かび、持っている剣をヨハンに向けようとするが…………




「我が神の命令を破るつもりか?」

「…………チッ」


 我が神……つまり、ゼロのことだが、ヨハンとミーラだけではなく、配下達に一つの命令を出していた。









 仲間内で争いを起こすな!




 シンプルな命令だが、配下達にとっては絶対的な主からの命令なのだ。

 だから、相手にムカついても、その命令は破れないのだ。




「だからって、謝らないのは酷くない? 一言でもいいんだよ?」


 どうしてもミーラはヨハンに謝らせたいようだ。

 だが、ヨハンは…………






「………………」




 無視して手にあるビー玉のような物を見ていた。このビー玉のような物は『宝命玉』と名付ける。

 『宝命玉』は、三千人分の生命力が濃縮され、今後の研究に役立つはずだとヨハンは考える。

 その態度に、ミーラはついに爆発した。




「無視するなぁぁぁぁぁ!! もうコイツは嫌だわ!!!」




 もうヨハンと組みたくないと絶叫していた。

 その二人組のやり取りする姿を周りが見ても街を潰した程の者だと思えないだろう…………






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




 ジガルド街から離れた場所にて、ゼロ達が観戦していたのだ。






(ははっ、仲良くしろと言っていないが、あのヨハンは研究のことになると周りのことを気にしなくなるかもな)

『……あの二人は……合わないのかな……? さっきの戦いは、いいコンビだと思ったけど……』

(あー、戦いの途中だったらヨハンも研究のことは考える暇はないだろ)

『……二人を組ませたのは、間違いじゃない?』

(それどころか、ピッタリだと思うぞ? 理屈と本能で動く奴らだが、ミーラとヨハンのコンビだったらクロトとガルムのコンビに勝てるんじゃない?)

『……能力の相性もあるけど、確かにそうかも……』


 気が合わない二人組に見えるが、実力については高評価しているゼロとレイ。

 何せ、ミーラとヨハンは『風塵の勇者』の部位を使っているから、魔力の質も高い。

 さらに、ヨハンにはゼロの魔素を他の死体集合体より多く込めたため、ゼロと同じ霊系の死体集合体が生まれたのだ。

 この二人のステータスはこうなっている。




ステータス

 名称 ミーラ

 種族 死体集合体

 称号 ”ゼロの配下”

 スキル

    希少スキル『既遂者デジャヴュ

         (結界・思考加速・攻撃再生)


    通常スキル『毒・麻痺耐性』、『幻覚耐性』、『物理耐性』、『闇無効』、『自己再生』、『不眠』、『魔力察知』、『魔力操作』、『妖気操作』、『武芸者』




ステータス

 名称 ヨハン

 種族 死体集合体(霊体)

 称号 ”ゼロの配下”

 スキル

    希少スキル『死紙ツカサドルモノ

         (生命魔法・思考加速・紙操作・魔力吸収)


    通常スキル『毒・麻痺耐性』、『幻覚耐性』、『物理無効』、『闇無効』、『不眠』、『魔力察知』、『魔力隠滅』、『魔力操作』、『透過能力』、『妖気操作』、『自己再生』、『回復促進』






 二人のステータスを見れば、ヨハンはゼロの力を濃く受け継がれているのがわかるだろう。

 ミーラの結界は『既遂者デジャヴュ』の効果を広げるために使ったり、敵の攻撃を防ぐ防御結界も作り出せるのだ。

 『武芸者』は回避に特化したスキルであり、反射神経が上がる効果がある。


 次にヨハンの『死紙ツカサドルモノ』は、紙を媒体にするスキルであり、『生命魔法』はヨハンだけのオリジナル魔法であり、生死を司る魔法である。

 例に、広域滅殺魔法、『彼岸花死紙フロワーデス』も生命魔法の内に入る。

 ゼロは『生命魔法』を持ってないが、スキルの使いようで、似たような魔法も出来るのだ。

 オリジナル魔法だから基本魔法より強いと決まっているわけでもなく、むしろオリジナル魔法の方が使いにくいのが多い。

 ヨハンの『生命魔法』は魔力を凄く使うし、先程のような魔法は前以て準備しなければならないのだ。

 『紙操作』は言葉通りに紙を操るのだが、どう使うのかはあとになればわかるだろう。

 他にもヨハンだけが持っているスキルもあるのだが、それらはゼロから受け継いだスキルなので、ヨハンが出来ることにゼロには出来ないというのはない! と言いたいが…………




(なんで、俺には『透過能力』がないんだろうな?)

『……わからない……』


 そう、『透過能力』だけがないのだ。ゼロも霊系の魔物として生まれたはずが、『透過能力』を持ってないことが不思議だったのだ。

 別になくても問題はないのだが、ヨハンに出来て、ゼロが出来ないというのはプライドに関わることなのだ。




(『透過能力』を持つ奴から奪うしかないのだが、ゴースト程度じゃ、持ってないよな……)

『……そうだね、上位魔物か魔人じゃないと……』

(やはり、そうだよな。今度探してみるか?)

『……うん、『物理無効』が欲しいもんね……』




 話を打ち切り、ジガルド街から離れた所で二人の姿を見る。

 今回は二人を造ったのだが、クロトとガルムと違って、戦争用に造った死体集合体なのだ。

 広域にダメージを与えるスキルを造り、二人に与えて実験をしたのだ。

 そして、その実験は成功だとわかった。

 トーア街と違って、街一つを人形無しでたった二人だけで潰したのだから、成功したと言ってもよいと思う。




『……これで戦争があっても……、安心だね……』

(ああ。今後も配下をもっと増やしていくぞ)

『……うん、お兄ぃのやりたいように……』




 結果もわかったので、ゼロ達は二人の元に向かうのだった…………







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