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第五十四話 実力

はい、どうぞ。



 ボアファイア討伐に来たゼロ達は聖獣との出会いがあったが、予定通りにボアファイアを討伐することに。

 ボアファイアはユニコーンに倒された分だけではなく、『魔力察知』で他にもいるとわかったのだ。

 とりあえず、ユニコーンに倒されたボアファイアの討伐部位は無事だったので、それを剥ぎ取ってから残ったボアファイアを倒すことになったのだ。

 始めに出会ったボアファイアはフォネスが相手をすることに。




「まず、私がやります!」


 敵は二体。

 尾が五本に増えたフォネスなら、ボアファイア程度じゃ、相手にならないが、新しいスキルを試すようだ。

 新しいスキルとは…………




「新しいスキルを試しますっ!」


 フォネスが何も持ってない手から桜の花びらを作り出した。

 その花びらがさらに増えて周りに漂う。




「”桜舞チェリカット”!!」


 目標の二体に手を向けると、浮いた花びらが真っすぐに向かった。

 ボアファイアもフォネスの攻撃に気付き、角に炎を宿らせて花びらを燃やそうとする。

 だが、花びらは燃えなかった。




「ブギィィーー!?」


 驚くボアファイアだが、花びらの攻撃は止まず、切り裂いていく。傷から血が流れ、止まらない。

 致命傷は与えてないが、何故かボアファイアは攻撃を受けるだけで、こっちに攻撃してこない。




「ブギィ…………」


 二体のボアファイアは血を流しすぎて、ついに倒れたのだった。

 何故、火に弱い花びらが燃えないのか? と疑問を持っているかもしれないが、その花びらは幻覚なのだ。

 幻覚なら、何故傷が付き、血が流れるのかは、新しいスキルにあるのだ。

 フォネスが手に入れた新しいスキル、希少スキル『現幻者マドワスモノ』。

 このスキルは、幻覚を現実と勘違いしたら発動する。

 幻覚で合ったことが現実に変わるスキルなのだ。

 例えば、幻覚で傷を付けられて、その傷が本人が本物だと錯覚したら、現実でも同じ傷が出来てしまう。

 普通の幻覚攻撃では、精神攻撃にしかならないが、『現幻者マドワスモノ』があれば幻覚攻撃が物理攻撃にもなりえるのだ。




「ほう、面白いスキルを手に入れたな?」

「はい! これからは幻覚を攻撃にも練り込めます!」

「そうか。攻撃手段が広がるのは良いことだ。これからも励めよ」

「わかりました!!」


 フォネスのスキルはわかったので、次はマリアの番だ。

 マリアもフォネスと同じように新しいスキルを手に入れていたのだ。

 それを試すために、新しいボアファイアを探す。









「見つけました!」

「一体だけか。スキルを試すんだし、一体でもいいか」

「はい。お任せを」


 マリアが前に出る。

 マリアが手に入れたスキルは、希少スキル『影密者カクレルモノ』だ。




「行きます。”影刃シャドーエッジ”!」


 自分の影に手を突っ込むと、影が動いて刃の形になって、まだこっちに気付いてなかったボアファイアは腹を一撃で斬られ、絶命したのだった。


 技を見てわかったと思うが、『影密者カクレルモノ』は影を操るスキルだ。

 他にも応用すれば、色々なことが出来るが、今回はここまでだ。




「なるほど。夜だったら影の攻撃は見えないだろうな」

「はい。さらに発動する時、音は出ないので暗殺にも使えます!」

「よし、その調子で自分を高めよ」

「はっ!!」


 これで、新しいスキルを手に入れたフォネスとマリアの試し打ちは終わったところで…………




「むー、いいなぁ〜」


 三人の中では新参であるシルは新しいスキルというか、希少スキルのような目立ったスキルは手に入れてなかった。

 仲間にしてからの時間が短いせいなのか、わからないが、シルは通常スキルだけしか手に入れていないのだ。




「まぁ、シルは今の戦い方でも戦えているし、この前は触れただけで全身凍結させたんだから、間違いなく強くなっているのはわかるだろう?」

「そうだけど……」

「シル、もっと戦って強くなれば、いつか新しいスキルを覚えるからね?」

「……わかったよぅ」


 フォネスがシルを宥めた所に、一つの反応がこっちに向かってきているのがわかった。




「向こうからか?」

「……あ、先程のボアファイアより一回り大きいです」

「アレがボスなのかな?」

「あれ? 止まった?」


 こっちに向かってきているから、そのまま突進してくると思ったら……




『……魔法を、使っている……』

(炎の角より強い魔法みたいだな)


 ボスのボアファイアはゼロ達から離れた場所から魔法を使おうとしている。

 それがわかり、配下達が向かおうとするが、ゼロは手を挙げて止めていた。




「ゼロ様?」

「コイツは俺がやろう」


 ゼロはそう言って、前に出た。

 配下達はすぐに邪魔にならないように後ろに下がる。




「ボァァアアアァァァ!!」




 魔法を発動し、あのボアファイアよりも大きな火玉がゼロ達に向かっていた。




「なんだ、ただの火玉かよ。”魔呪分解デュアルバッド”」


 ゼロは迫ってくる火玉に手を向けるだけ。

 そして、当たった瞬間に、火玉はゼロの後ろには行かず、バラバラになるだけだった。




「ブギィ!?」

「その鳴き声は豚みたいだな。あ、猪は豚の仲間だったっけ? まぁいいや。”水噴閃ウォータレーザー”!」


 水をレーザーのように撃ちだし、頭に風穴を空けたのだった。

 ボアファイアには攻撃が見えなかったのか、驚いたような顔でそのまま倒れた。




「これでボスは倒したし、もう大量出現はしないだろうな」


 何故、大量出現したのかはわからないが、ボスを倒したことで、自己完結することにしたのだった。




「お疲れ様でした」

「あの、火玉はどうやって消したのですか?」

「水のレーザー、凄かった!」


 配下達が戻ってきて、マリアから質問があった。確かに、見ただけではわからないだろう。

 なので、説明することにしたのだ。


 ”魔呪分解デュアルバッド”は、文字通りに魔法の呪文を分解する技であり、魔法に触れた瞬間に、魔法の構成をバラバラにして、魔法を無効させるのだ。

 だが、バラバラにすると言っても、適当にではない。

 何故なら、適当にバラバラにしただけでは、火玉が水玉の魔法に変わってしまったり、火玉より強い魔法になってしまうこともあるのだ。

 だから、構成を理解し、順序を守って分解しなければならないのだ。

 そんなことを触れた一瞬でやらなければならない高等な技術だが、それはゼロが出来るわけがない。

 そう、それらをやっているのが…………




『……私なんだよね……』

(ああ。いつも助かっている)

『……ふふん、もっと褒めるの……』

(流石! いつもマイリトルシスターは頼りになるなぁっ!!)

『……嬉しいけど……、前にも聞いたのと……同じような……?』

(勘弁してくれよ、俺はレイほどに頭は良くないんだから。だけど、頼りにしているのは本当のことだ)

『……うん、わかっているよ……』


 そう、一瞬に魔法の構成を解析し、分解しているのは、レイなのだ。

 そんな技は、レイではなくては出来ないのだ。

 つまり、レイの才能に頼った力技で分解する技なのだから、例えば、素早い高位魔法を撃たれてしまったら、”魔呪分解デュアルバッド”では防げないのだ。

 高位の魔法ほどに、魔法の構成が複雑になり、魔法自体のスピードで撃たれたら分解する時間が足りなくて分解する前に攻撃が当たってしまうからだ。




『……この力技は、自分より遅い魔法に……しか通用しないね……』

(そうだな。使いどころを間違えないようにするよ)


 ”魔呪分解デュアルバッド”の技はどういうものかわかったところで、改めてステータスを確認したのだった。

 ついでに、前に見ておいたクロトとガルムのステータスも…………




ステータス

 名称 ゼロ

 種族 成霊体レイス変異種

 称号 ”成り上がり魔人”

 スキル

    希少スキル『知識者チシキモノ』(名称 レイ)

         (鑑定・統合・思考空間・思考加速・解析)


    希少スキル『身体構成ヒトナルモノ

         (作成・維持・強化・入魂)


    希少スキル『操り人形マリオネット

         (死体操作・無機物操作)


    希少スキル『創造者ツクルモノ

         (ダンジョン作成・転移)


    特殊固有スキル『魂吸者スイトルモノ

         (吸収・回復促進・魔力臓・)


    通常スキル『全門耐性』、『不眠』、『魔力操作』、『闇無効』、『魔力察知』、『隠密』、『毒作成』、『自己再生』、『威圧』、『収納』、『魔導者』、『妖気操作』




ステータス

 名称 フォネス

 種族 九尾族変異種

 称号 ”ゼロの配下”

 スキル

    希少スキル『現幻者マドワスモノ

         (現実化・高位幻覚)


    特殊固有スキル『焔狐ホムラギツネ

         (鬼炎・変化・思考加速)


    通常スキル『幻覚無効』、『毒・麻痺耐性』、『火炎無効』、『魔力察知』、『魔力操作』、『威圧』、『妖気操作』、『自己再生』




ステータス

 名称 マリア

 種族 人間

 称号 ”ゼロの配下”

 スキル

    希少スキル『影密者カクレルモノ

         (影操作・影転移・暗転)


    希少スキル『暗殺者コロスモノ

         (偽装・毒作成・武器作成・思考加速)


    通常スキル『毒・麻痺無効』、『幻覚耐性』、『投擲』、『魔力察知』、『魔力操作』、『隠密』、『妖気操作』、『回復促進』




ステータス

 名称 シル

 種族 蟲人族変異種

 称号 ”ゼロの配下”

 スキル

    希少スキル『冷酷者コゴエルモノ

         (氷晶・思考加速・変化)


    通常スキル『毒・麻痺耐性』、『氷結無効』、『幻覚耐性』、『魔力察知』、『魔力操作』、『格闘者』、『剛力』、『妖気操作』、『投擲』、『自己再生』




ステータス

 名称 クロト

 種族 死体集合体

 称号 ”ゼロの配下”

 スキル

    希少スキル『奇術者アソビモノ

         (収納・思考加速・奇術)


    特殊固有スキル『操霊者ネクロネシス

         (死体操作・人形作成・自動操作)


    通常スキル『毒・麻痺耐性』、『幻覚耐性』、『物理耐性』、『闇無効』、『不眠』、『魔力察知』、『魔力操作』、『投擲』、『妖気操作』




ステータス

 名称 ガルム

 種族 死体集合体

 称号 ”ゼロの配下”

 スキル

    希少スキル『鉄人カタキモノ

         (砂鉄操作・思考加速・物理、熱耐性上昇)


    通常スキル『熱耐性』、『毒・麻痺耐性』、『幻覚耐性』、『物理耐性』、『闇無効』、『不眠』、『魔力察知』、『魔力操作』、『剛力』、『妖気操作』




 ゼロは魔人になっており、魔力を貯める『魔力臓』が出来ている。

 自分の魔力限界を超える分を吸収したら『魔力臓』に貯めることが出来るようになっているのだ。

 さらに、『全門耐性』は、様々な魔法、状態異常、物理の耐性のことだ。

 闇だけは無効になっているが、弱点がなくなっているのはゼロにとっては嬉しいことなのだ。




 ステータスも確認したし、ボアファイアの討伐部位は沢山集められたので、これから街に戻るのであった…………







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