第百六十四話 暗い世界にて
『凄まじいデメリットに、不職業!?』はこの小説と一緒に投稿しようと思ったけど、日付と時間を設定するの忘れたので遅い時間に投稿してしまいました。
暗い。
光がない。
見えない。
それが、ゼロとカズトがいる世界である。視認するだけで、瞬間移動が出来るカズトに対して、それを防ぐためにゼロは何もない闇の世界を作り出した。
それが『暗黒世界』で、ゼロの世界である。
「ふははっ!これで、視認は出来んだろ!」
「くっ、”閃光”!!」
光魔法で周りを照らそうとしたが、光らなかった。
「な、何故、発動したのに!?」
「ここの闇は光さえも飲み込む。確かに光魔法は発動したが、一瞬で闇に上書きされた。つまり……」
光魔法は使えないという意味だという。カズトの攻撃方法が半分以上は光魔法であり、それを封じられたのだ。
「その代わり……」
ゼロが手を振るうと、カズトは何かに殴られて吹き飛ばされた。
「ぐっあ!?」
「見えないよな?俺は手を振るだけでも周りにある闇を操れる。お前はもう俺の技に囲まれているのと同義だと思え」
ゼロの手がまた動き、カズトを翻弄させる。カズトもこのままやられっ放しでいるわけでもなく、聖救剣を振るう。
だが、手応えはないまま、またぶっ飛ばされていた。
「ぐ、ぐあっ!」
「まだまだ終わらんぞ!」
吹き飛ばされた先でまた何かに殴られてあちこちと殴られてしまう。
「あ、あぁぁぁ!!」
「む?」
カズトが叫んだかと思ったら、聖救剣の姿が変えていくのではないか。
「聖断剣!!」
聖救剣が、二本の剣に分裂して聖断剣がカズトの手に持つ。
「はあぁぁぁ!”閃空斬”!!」
剣が振るわれると、なんと闇が切り裂かれて光が生まれていた。
「なっ!…………空間を切り裂いて、自分の世界を創り出したのか」
たった一瞬で、レイが解析を終わらせてゼロに教えていた。カズトがやったことは、空間を切り裂いてカズトの世界とも言える、光の世界を生み出したのだ。
世界を生み出すのは神ノ能力を持っていれば、難しくはない。
「チッ、闇が届かないか」
「これで地形……いや空間は互角になった。後はゼロを斬るだけだ」
聖断剣はもう用が終わったと言うように、聖救剣の姿に戻って行った。カズトの剣は、聖救剣と聖断剣だけではなく、もう一つあるが、戦いには使えない。
これらはクロトという魔王級を倒したため、リミットが外れて、使えるようになったのだ。
「はっ、やれるならやってみやがれっ!!」
ゼロは突っ込みながら、暗黒剣で聖救剣ごとカズトを真っ二つにする勢いで振り抜く。カズトはそれを受けずに、視認するだけで瞬間移動のスキルで暗黒剣を避けてゼロの後ろに瞬間移動する。
この世界に光が生まれたおかげで、カズトは『光視瞬動』という瞬間移動でゼロの隙をつこうとする。
だが、ゼロはカズトが後ろに移動した瞬間に振り向き終わっていた。
「無駄だ!魔力を垂れ流しにしているまま、隙をつこうとしようなんて、笑止!」
ゼロは魔力の察知から、カズトの正確な位置を掴んだのだ。カズトは凄まじい魔力を全て隠し切るなんて出来なかったので、隠密みたいな行為は出来ない。そしてーーーー
「がふっ!」
カズトは腹を貫かれてしまった。だが、カズトも成果なしではなく、ゼロの頬に傷が出来ていた。
「が、がうっ…………キ、ア……」
「させるか!」
カズトはすぐに後ろへ下がって、”光癒”を発動しようとするが、ゼロはもう終わらせようと脚を動かそうとしたが…………………………動けなかった。
いや、動こうと思えば、動ける。なのに、何故、ゼロが動かないのかはーーーー
「な、何が……?」
ゼロは驚愕していて、脚が止まったのだ。何故なら、カズトの隣にはーーーー
「何故、レイがいる!?」
カズトの隣にいたのは、身体が薄めで髪は銀色。紅い目が悲しそうな視線で見つめるレイの姿だったのだ…………
次回からは最終回までの数話を纏めて出したいので、少し投稿するのが遅れます。
多分、10月内に出すと思う。(リアルの方で忙しくなければ)
お待ち頂けると嬉しいです。待っている間、他の小説に目を通してくれたら、さらに嬉しいです。宜しくお願いします。