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第百五十四話 完全なる死

本日二話目〜。

前回をまだ読んでない方は戻ってね。

 


 レイは『断罪王エンマ』で、罪裁鎌サマエルを具現化し、大きな鎌がイリヤの首を狙う。




「簡単にやらせない!」


 イリヤはすぐに反応して、鎌に無月を合わせる。魔力から作られた鎌なら、合わせるだけで消せる……………………はずだったのに、




「消えない!?」


 無月に触れても、罪裁鎌は消えなかった。いや、よく見ると触れた場所が崩れているのがわかるが……、すぐに直っていたのだった!!




「まさか、壊された瞬間に再構成を行っているのか!?」

「……よくわかったわね。そう、私の処理能力があれば、触れた瞬間に高速再構成させることなんて、造作もないことよ」


 レイはそう言いながらも、イリヤの首を狙い続ける。もし、当たれば、今から一週間前までの殺した数によって威力が変わる。前に倒した魔王のガンスロットは元の形が無くなるほどのダメージを受けたのだ。

 まさに一撃必殺のような技だが、頭に近い場所、首から上に当てなければならないのがネックである。






「くっ、重いが……!技なら負けない!!」

「……!?」


 レイの鎌が受け流され、剣はレイの肩を切り裂く。死体集合体であるレイの身体は『聖剣使い』の称号を持つイリヤの攻撃は痛みを伴う。

 この世界に生まれて、初めての痛みに顔が歪む。




「……そういえば、貴女に斬られたら痛みを伴うんだったね……」


 レイは痛みを感じているが、動きは落ちない。受け流された鎌をそのまま頭を狙う。

 だが、イリヤは狙われた頭を下に下げてカウンターで脇腹を切り裂いた。




「……先読みは貴女の方が上みたいね……」


 レイも計算を使った先読みをするが、イリヤの方が上のようで、先を行かれてしまう。

 レイは接近戦では勝てないと理解したのですぐに離れた。傷は直っていなくて、痛みも治まらない。だが、




「……ふふっ、ふふふふふっ………………」


 レイは静かに笑っていた。




「何を笑っている?」

「……初めてなの。こんな苦戦をするのは。貴女は王者能力を持っていないでしょ?それを技術だけで、私に傷を付けた。すごいと思っているのよ。だから、見せてあげる」












禁咒王グリモア』と『断罪王エンマ)』の完全能力をね……




 と呟いていたと思っていたら、レイの周りから『死』を感じた。

 イリヤはヤバイと感じ、とっさにレイから後ろに飛び退いた。




「……やっぱり、さすがの勇者。これの危険度を理解しているね」

「…………っ!」


 何かが黒いモノがレイから溢れ出し、地面を黒に染めていた。






「……私の切り札、”完全死デッド・ライフ”」






 王者能力の二つを使った合わせ技。完全なる死を与える魔法、”完全死デッド・ライフ”が粒子状でイリヤを襲う。




「くっ!」


 粒子状で襲われては、無月に触れた粒子だけが消え、他の粒子は健在だ。この粒子に触れた瞬間に死ぬと本能で理解しているため、必ず触れるわけにはいかない。






「”蒼流星群塵撃スターディストブレイカー”!!」






 突きの壁で防ぐが、体力と魔力は無限ではない。今はまだ発動し続けられるが、そのうちには”完全死デッド・ライフ”に飲まれて、イリヤは死んでしまうだろう。






 イリヤは突きの壁が発動している間に有効な手を考えるが……………………何も思い付かないまま死に飲まれてしまった。





「……もう終わっちゃった?まだやれると思っていたんだけどなぁ……」


 レイはまだ戦いたかったと思いながら次の敵がいる場所を調べる。

 あれ、まだ二つ目の部屋にいるんだ?上手く足止めしているみたいだねと呟きながら脚を進めようとしたが、








「……え?」








 レイの心臓、弱点である核がある場所から剣が刺さっていた。





「……な、なんで?」





「……生きているの?」





「……”完全死デッド・ライフ”に飲まれたのに」





 剣が動く。引き抜かれて、剣の先には核があるのを確認出来た。





「私の勝ちだな……」




 イリヤはまだ生きていた。そして、イリヤがレイに勝ったのだった…………





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