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過去(1)

 「エドワード。準備はできたの?。早くしなくちゃ。今日入学式でしょ。」

 おばさんはエドの合格が決まった日から極めて上機嫌であった。近所の人たちに言いまわるやらで、浪人が決まった人ぴょり恥ずかしい思いでいた。

 そんなエドも晴れの舞台には緊張していた。なんだかんだいっても高等魔術アカデミーに一年で入学したことはうれしく誇らしくもあった。

 おばさんが玄関の戸を開け、エドもそれに続いた。エドが外に出たとき隣の家の家政婦さんとオーウェンも準備ができたらしく、二人とも箒にまたがっていた。

「あら。お隣さん。オーウェンちゃん元気にしてる?うちのエドは運で4回目に何とか受かったけどオーウェンちゃんは一発で受かっちゃうなんて。やっぱりできる子は違うわ。ほらエドも見習いなさい。」

 またおばさんが余計なことを言ってくれる。エドは3人に顔をそむけながら箒にまたがった。

「ほら、おばさん。入学式まであと30分だよ。はやく行かないと。こんなやつらほっといてさ。」

エドが飛び上がった時、おばさんと苦笑いしながら話している隣の家政婦さんと何故がうつむき加減なオーウェンが目に入った。

 入学式はエドの予想したものよりも粗末で簡単なものだった。それでもエドは上級学校に入れたうれしさと、これからの希望と、ちょっぴり美味しい料理で満足していた。

『続いては新入生代表、ミス・オーウェンより誓いの言葉があります。ミス・オーウェンは壇上へとお上りください。』

 隣でざわめきが起こる。

「あいつ今回の入試のTOP入学者だぜ。すげぇな。やっぱり世界はひろいよ。ハハ。」

(俺から見るとただのお隣さんなんだけどね)

とエドは苦笑しながらオーウェンの話に耳を傾けた。普段言葉を発さないあいつがどういうのだろうと……。

『……私はこれから3年間、皆さんと生活を共にし、勉学に励んでいくことになります。その中で先輩たちや同級生の皆さんに迷惑をかけていくことがあると思いますが3年間よろしくお願いします。』

 ありきたりな言葉だったが、半年前からあまりしゃべらなくなったオーウェンがここまでしゃべっていることがエドには驚きだった。続く学長の話やなんとか大臣の言葉、どこかのお偉いさんの話はエドの耳にははいっていなかった。

「おぃ。おぃ。エドワードや。私はもぅ帰るけど先輩たちと仲良くやるんだぞ。」

というおばさんの言葉でエドは我に返った。

「あ……うん。じゃあね。休みには帰るから。うん。」

 おばさんが帰ってからもパーティーは続いた。


 続く

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