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第2話 帰還した夜
遠征から無事に帰還した。
家に帰ると、愛しい人に迎えられて肩の力が抜けた。
ふらふらとオリバーに近づき
「ただいま、オリバー」
倒れ込むように、オリバーの膝に頭を預ける。
(帰ってきた)と思えた。
「おかえりなさい。ご無事で何よりです。」
指先がゆっくりと私の髪を梳く。
その動きがあまりに優しく、思わず目を閉じる。
「…ちゃんと、怪我していないぞ」
「ええ。報告書も拝見しましたよ」
「気をつけた…怒られたくないからな」
「ふふ…偉いですね、オーグ」
オリバーの声はいつも通り、穏やかで、甘い。
私は彼の手を探し、指を絡める。
私を甘やかす、大好きな手。
「愛しています」
その囁きとともに、こめかみに軽いキスをされた。
胸の奥がじんわりと熱くなる。
「…私もだ」
視線はまだ上げられず、ただ胸の高鳴りを感じる。
オリバーは何も言わず、髪を撫で続けてくれる。
「…寝そうだ」
「ふふ、いいですよ。おやすみなさい」
「ん…おやすみ…」
安らかな寝息が、静かな夜に溶けていった。




