表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星月の異世界日記  作者: 山タコ
村編
4/15

惨劇

今回は少しグロありです!

あれは、お前と会う数ヶ月前だった。


「おーいトス!一緒に鍛錬に行かないかい?」

そう話しかけ来たのはトスの幼馴染であり親友のフユだった。

「おぉ、行くか!」

2人はそう言って草原へと剣を持って出掛けて行った。


「なぁ、フユお前は俺はまだ“最強“に成れると思うか?」

俺は親友に問いかける。

「良くて村一番くらいだろ」

帰って来たのは現実的な答えだった悲しい。

「俺は村一番でもかなりすごいと思うぞ?」

「いや、それはそうなんだが、、」

やはり男である限り最強というものには憧れるだろ!

にしても木剣で斬り合いながら話すのは神経が擦り切れるぜ。

「ほらよっと」

突きを打つとフユが少し後ろに飛んだ。

「あぶっ」

素早く俺は前に出る、そこの着地点を狙って足払いを仕掛けた。

「ほらよ!」

転んだフユに木剣を突きつける。

「はぁ、はぁ、相変わらず読みが半端ねぇな。なんで俺が後ろに飛ぶって分かった?」

その質問に対して俺はニヤッとしながら答えた。

「なんとなく」

それを聞いたフユは俺から顔を背けながら呟いた。

「キモッ、、」

相変わらず辛辣ぅ、そうして稽古を終えた俺たちは村に帰るはずだったんだ。



「はぁ、どうしたら近衛騎士団に入れるのか、、」

そんな事を言いながら村へ帰ったんだ。そしたら、その道中で気づいたんだ。

「おい、なんか村が静かじゃねぇか?」

そうフユが疑問を口にした時。

「うわぁぁ!」

村の広場から悲鳴が聞こえてきたんだ。

「なんだ!?」

フユはそう言いながら駆け出した、俺もその後を追った。

そうして広場に着くと。そこには地獄絵図が広がっていた。ぼろぼろになった花壇、火だるまになった人々、足元は血の海、嗅ぐに耐えない死臭、なぞの兵士達に凌辱される村の女性。

「なんだよ、、、これ、、」

「うっ、おぇぇ!」

その惨状に俺らは吐瀉物をぶちまけることしか出来なかった。しかし、その中でもくっきりと見えたものが一つだけあった。

「オラァ!逃げ惑えよ雑魚ども!」

広場の中央で暴言を吐きながら兵士達に指示を出している金色の甲冑に身を包んだ、金髪の男だった。

「なんなんだよ、アイツら、、」

するとその男が俺らの事に気づいたんだ。

「あっ?なんだよ、何見てんだよテメェら」

その威圧感に俺らはただただ恐怖する事しか出来なかった。

「ちっ!ウゼェなテメェら、もういいから死ねよ」

そう言い男が剣を抜いた瞬間だった。

「トス!逃げろ!」

俺は気づいた時には投げ飛ばされていた。

「アイツは神将級の兵士だ!2人じゃ逃げきれない!」

「でも!」

俺が逃げるかどうか躊躇していると。ナニかが飛んできたんだ。腕だった。それはフユの腕だったんだ。

「早くっ!!」

俺はなりふり構わずに逃げ出した、最後に見たのは片手だけになりながら木剣を構えて金髪の兵士に向かっていくフユの姿だった。


そこから先の事はよく覚えていなかった。気づいた頃には俺は家の中で倒れていた。起き上がってすぐ、俺は広場へと駆け出していた。

「頼む!夢であってくれ!」

必死に願った、しかしそれは儚き願いとなった。

広場にあったのはあの時と変わらぬ光景だった。そして、そのすぐ近くにあったのは俺のかけがえのない親友、フユの死体。

「おぇぇぇ!」

気づいた頃には嗚咽と涙が止まらなかった。それはあの時親友を見捨てた己の不甲斐なさ、憧れていた神将級の兵士がこれを起こしたという現実に様々な感情を抱きながら死んだものを供養し惨状が起きた広場を掃除した。生き残ったのは俺一人だった。何度泣いただろう。何度吐いただろう。おめおめと生き残った俺は何を成すべきなんだ。

、、、復讐に決まっている。俺はあれから復讐しか考えれなくなった。


これが数ヶ月前に起こったこの村を襲った惨劇だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ