別れ
勝ったのは俺だった。俺の居合い斬りによりトスさんの剣は真っ二つに切られておりトスさんが降参を宣言したからだ。そして俺は………
「あんたやっぱ化け物すぎるだろ!?」
俺はトスさんの一撃を受け止めた事により身体中の骨が響くような衝撃を受け見事に腕を打撲したような激痛により死にかけていた。
トスさんの家に帰り治療を受けていると。
「はっはっはっ!まさか剣を折られるとは思わなかったぜ!」
そう言って俺の手に包帯を巻いてくれていた。
「トスさんに勝つためには武器を破壊する以外の方法が俺には思いつきませんでした」
そう正直に話した。
「そういえばお前、なんで倒れる前にありがとうなんて言ったんだ?」
トスさんが不思議そうに聞いてくる。
「なんでなんでしょう?」
俺は首を傾げながらそう答える。
「なんじゃそりゃ?」
トスさんは呆れ顔で俺を見た。
「強いて言うなら、、やっぱ指導者への感謝ですかね」
それ以外に理由が見つからなかった。
「よし!できた、回復魔法が仕込まれてある包帯だ明日には治ってると思うぞ」
そんな便利な包帯があるんすか。
「さて、じゃあ明日にはお前とお別れか」
その言葉に俺は頷く。
「あぁここに留まり続けても限界があるからな。」
俺は立ち上がるとトスさんに向かって深くお辞儀をした。
「一年間ありがとうございました!」
翌日
俺は部屋で準備を整えていた時。
「おう!準備中だったか!」
トスさんが何かを持って部屋に入って来た。
「何持ってんだ?トスさん」
俺はシンプルに疑問をぶつけた。
「お前への別れの餞別だよ」
そう言いトスさんは持っていた物を渡してくる。
「これは、服?」
トスさんがくれたのは服だった!
「お前が生き残れるように所々に防御魔法を編み込んでおいた」
この人裁縫も出来んのかよ。ガチで説明以外なんでもできるな。
「ありがとうトスさん」
そう言うとトスさんは笑顔で。
「それじゃあ来てみろ!」
と言うのであった。
「おぉ!似合ってるじゃねぇか!」
トスさんはニコニコしながら俺を見ていた。馬子に衣装というやつだろう。
「よし、それじゃあそろそろ出発しようかな」
俺は水と食料をバックに詰めた。そのバックを担ぎ家から出ようとする。
「トスさん、見送りは良いよ」
俺は未練を残さないためここでお別れにしようとした。
「おいおい、せめて門くらいまではいいだろ?」
そう言われてしまい、結局村の門の前まで来てしまった。
「さてお前はこれから進むべき場所は分かってるな?」
俺はトスさんに言われた事を思い出す。
「確かいつも修行していた野原をそのまま進み続ければアバドン帝国の属国である戦劇国アレナに行けるんだよな?」
俺がそう答えるとトスさんは頷きながら。
「そうだ、アレナは戦いが娯楽として行われる国だ」
おっそろしぃ所だなアレナ。しかし俺はワクワクしていた。
「そしてそのアレナにはコロシアムがある、そこで行われる戦いで優勝すれば神将級の兵士とも出会う機会があるだろう!」
なるほど戦いをする事で経験を得られるしそれにトスさんの敵討ちの手がかりも見つけられる。一石二鳥だ。
「じゃあそろそろ行くよ、お世話になりました!」
俺は再度頭を下げた。
「おう!お前が本当に最強になったらまた戻ってこいよ」
そう言いながらトスさんは俺の背中を押してくれた。
(こう言う時は、、王道で行くか)
「行って来ます!」
主人公の服装を詳しく書きます。
上半身 白いシャツに黒いネクタイ紺色のオーバージャケット
下半身 黒いベルト付きのロングパンツに刀を帯刀
そして今更ですが主人公の特徴を全く書いていなかったので次回そういうシーンを挟もうと思います。




