ゆきのころ
人は雪のようですね
従兄がなくなった
その知らせがとどいた
自分の父親と同じ病名だった
父親は二ヶ月と告げられてから
三月ほど生きていったが
従兄は告げられてから二日でいった
あっという間のことだった
そのことを連絡を受けてから知った
式は雪の日
親族がよばれて母親が出かけていった
春の雪
朝からかなり降っていた雪は
午後には止んで陽が出て
あっという間にとけて消えた
子どもの頃
若かりし頃に逢った従兄の顔
春の雪の日の景色のように
その姿を今も憶えている