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嘘つき二人の温泉旅行

作者: 衣谷強
掲載日:2023/12/12

『第5回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞』参加作品です。


何だか最近幼馴染ラブコメばかり書いている気がします。

人は自らにないものを求めるものですからね。

……これは、涙……? 泣いているの、私……?


どうぞお楽しみください。

「さ、温泉旅行に連れて来てあげたお礼に、存分に私にご奉仕しなさい?」

(ひああああ! とうとうこの時が来た! ありがとう商店街の福引! 温泉入って清潔感ヨシ! お布団ヨシ! ばっちこい!)


「ったく、こっちは曲がりなりにもプロなんだぜ? 今回は知り合い特典で特別だからな」

(うおおおお! 整体師になって本当に良かった! 法に触れず好きな人の身体に触れる大チャンス!)


「まずは肩ね。ほんと凝っちゃって」

(浴衣を緩めに着たから、これなら首周りをほぐす時は直よね! 肌に直よね!)


「はぁ、何かおばさんくせぇなぁ。ま、宿代分くらいは働くさ」

(これでうなじとかに触れても合法合法! くぅ! 生まれて来て良かった!)


「あー、そこそこ。そこら辺凝ってるのよ。もっと強めにおねがーい」

(あああぁぁぁ! 指が触れてるって感じるだけで! だめぇ! 全身がほぐれちゃうううぅぅぅ!)


「うっわー、かってぇ。ITブラックのおっさんみてぇ」

(柔らけえええぇぇぇ! いや確かに凝ってはいる! 凝ってはいるけど表面の肌の滑らかさと柔らかさ! これ枕で再現できる技術者とかいないかな……?)


「ふぅ、腐っても本職ね。まぁまぁだったわ」

(終わっちゃった……! 肩、すっかりほぐされちゃった……! いえ、まだよ! 今日はお泊まりなんだから!)


「これに懲りたらもうちょっと身体を労われよ」

(体感五秒! 早ーい! 早いよ! 早すぎるよ至福の時間!)


「ちょっと。これで終わりとか思ってんの? 次は足よ、足」

(だ、大胆すぎるかな!? で、でも足は実際張ってるし……!)


「うえぇ……? 面倒くせぇなぁ……」

(足!? な、何かの罪に問われないか……? いや、問われてもいい! 来いよ警察! 令状なんか捨ててかかって来い!)



「あー、効く効く。足って疲れ溜まるのよねー」

(うううぅぅぅ! 気持ち良い! 温泉で血行は結構良くなったと思ってたのに……!)


「こっちもやべぇな。日頃からもうちょい運動しろよ」

(太もも! ふくらはぎ! 足裏! 欲張り三点セット箱で買わせてください!)


「あぁー、満たされたー」

(うぅ、ずっとやってほしかった……。どうして『三十分』だけなのよォオオオ〜〜ッ!)


「やっと終わった。んじゃ寝るか」

(終わつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる……)


「はいお疲れさん。おやすみ」

(でもマッサージしてもらえたんだから良しとしよう!)


「もうただじゃやらねぇからな。おやすみ」

(まぁマッサージできたんだから良しとしよう!)

読了ありがとうございます。


ちなみに福引は二人をよく知る商店街の方々の仕込みでした。

双方の両親の許可の上で「ここまですれば一線を超えるだろう」と仕込みましたが、マッサージだけで満足した二人にがっくりと膝を折りました。

罪なお人やでぇ……。


次回はのお題は『パスワード』。

どうぞよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最後仲良し!!思わず笑ってしまいました!! 終わるのが寂しそうなのかわいいですね! 結構大胆なのにお互い気づかず面白いです! 商店街の方々にはバレバレな外堀の埋まり方と、本人たちのピュアさ…
[良い点] 心の声と口に出してる声が、うっかりひっくり返ったらあっという間にくっつきそうなような、勘違いしないでよねっ!とツンデレになってしまいそうなような、絶妙ないちゃいちゃ具合が美味しかったです。…
[良い点] 素晴らしすぎて涙が……いえ、ため息がでました。 どうして私にも幼馴染みがいないの……?
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