叡智の遺恨一星と人
かつてどれだけの人が夜空を見上げ、星を見ただろうか。
星を見て、どう感じたかはきっとその時の心象に依るだろう。
それは泣いているように、微笑むように、慰めるように、夜を照らしていた。
だが、今の人々は星を忘れた。
それは光が増えたからでは無い。
それは人が下を向くことが増えたからである。
そして、人は星の光と同じように、過去を忘れる。
過去にもたらされた慈悲、それを忘れて恩を仇で返す。
たった一度の過ちを、咎め、追い詰め、やがてその者を締め上げる。
星の光は遙か過去よりのもの、であれば人を活かす思いも、過去よりのものである。
どうか一度星空を見上げ、過去を振り返ってください。そこに答えはありませんが、そこに想いはあるのです。
何を思ってその言葉を投げかけたか、何を思ってその言葉を受け取ったか。
それは救いであり過去からの光である。人の想いは、隔たりを超え、遥かな距離を超え、時を超える。
それが、星の光、人を想う心である。どうか標に...