侵略者の誤算
私は完璧だ。
異論や反論があるのは、単に理解出来ない言い訳でしかないと気づかないのか。
どう説明したところで、凡人に天才の考えることが分からないのは仕方ない。
よし、ここはひとつ、私が親切に実践で証明してやろうではないか。
百聞は一見に如かずと言う、結果さえ出ればよかろう。
私は完璧だ。
この地球という星に降り立ったのは、支配するためだ。
どうやら人間という種族が治めているようだが、言語も習慣も違う集団が多数でまとまってすらいない。
話が通じないと武力を行使するあたり、野蛮としか言いようがない。
ここは私の出番だろう、任せておくが良い。
私は完璧だ。
あらゆる言語を解析し、その言葉の裏にある真意まで読み解ける。
さらには、どんな武力によっても排除できない存在なのだ。
まさに最強、どんな敵が来ようと負けるわけがない。
さあて、まず手始めに、この日本という島国を落としてやろう。
私は完璧だ。
何といってもこの姿、敵と認識すらされないだろう。
こうして一か所に座したまま、水と大気を通じてあらゆる情報を集められる。
首相の極秘会談でも、村人の決死プロポーズ作戦でも、私に見破られずに事を勧められはしないのだ。
さあて、どこから崩してやろうか?
オカシイ、オカシイ、オカシイイイィ。
あらゆる情報戦に勝利し、無敵の身体を持つ私が、ナゼだ。
苦悩するその姿すら、誰にも認識されていなかった。
残念な事に、その外見は小石そのもの。
おまけに河原に紛れているのだから、完璧すぎるその姿は見破れない。
ついでに発信力ゼロという、まさかの事実に気付けなかったのが敗因だろう。
どれだけ完璧に分析や理解が出来ようと、伝える術がなければ意味がない。
いくら頑丈で無敵でも、自ら動く術を持たなければ何も変えられない。
私は完璧だ、私は無敵なのだ。
こんなどこだか分からない宇宙の辺境で、このまま朽ち果てる訳がない。
まだ、その時では無いだけだ。
いずれ来る時に向け、私はここに座すのだ。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
最近、あまり書く時間が取れず、連載小説が進みません。
今月、何の更新も無いのは寂しいので、短編に逃げました。
サクっとお楽しみいただき、連載の続きをお待ちいただけると嬉しいです。
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