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59話 普通のレベルアップ

 《水雲村雨》の詠唱完了。

 後は形成された水雲の剣を振るうだけだ。


「ガウァ!」


 ヴォルケーノハウンドに近付くと、大きな炎を発した。

 高熱の炎を身に纏ったヴォルケーノハウンド。

 まるで炎の鎧だ。

 だが──。


「スレイの魔法の方がもっと凄かったぜ。あれを見た後だと迫力に欠けるな」


 俺は水雲の剣を振るった。

 水雲の剣が炎の鎧を貫通。

 水雲は炎によって蒸発することなく、吞み込み、ヴォルケーノハウンドを切り裂いた。


『自身よりも強い敵を倒したため、経験値が加算されました』

『レベルが500上がりました』

『[アルムントのダンジョン踏破者]の称号を獲得しました』


 ……どうやらヴォルケーノハウンドを倒せたようだ。


「しかし、本当に一撃とはな……」


 俺は横たわるヴォルケーノハウンドを見て、そう呟いた。


「お疲れ様です。無事に倒せて良かったですね!」


 ソニアは笑顔を俺に向けた。

 そして、ある違和感を覚えた。


「なあソニア、レベルはどれぐらい上がった?」

「レベルですか? えーっと、私は495レベル上がりましたね」

「そう、それだ」

「へ?」

「普通ならこんなにレベルが上がったら驚くはずなんだ。だけど俺達は平然としている。そんな状況に俺は違和感を覚えたよ」

「あー言われてみればそうですね。慣れって恐ろしい……」

「お互い最初は結構驚いてたのにな」

「ほんとですねぇ」


 それだけ俺達が短期間で強くなっている証拠だろう。

 まあ他の冒険者達がどれだけの勢いでレベルを上げていくのは全然知らない。

【魔法創造】のスキルを手に入れる前の俺なんかは論外もいいとこだろうし。

 だが、陸竜を譲ってくれたエリックのように実力に現界を感じ冒険者を引退するような者もいるぐらいだ。

 この成長の仕方は速い部類だと考えても良いだろう。


「さて、ダンジョンボスも倒せたことだ。それなら次やることは決まってるよな」


 俺はソニアに話しかける。


「はい! 次はBランクダンジョンに挑戦ですね!」

「違う。それもそうだが、それより先にやることがあるだろう」

「えーっと……」


 ソニアは視線を上に向けてしばらく考えた。


「……すみません、分からないです」

「これからすることだよ」

「これから?」

「一度やっただろう?」

「……もしかしてヴォルケーノハウンドでレベル上げですか?」

「よし、正解だ」

「なるほど……確かにここでレベル上げするのは悪くないと思います」

「勝手にヴォルケーノハウンドが出現するし、今のところレベル差も丁度いいからな。楽にレベルを上げることが出来る」


 そして、俺達はこの後ヴォルケーノハウンドを追加で4体を倒し、お互いのレベルが1400を超えた。


 ────────────────────

 ロア・フォイル 19歳 男 

 称号:[アルムントのダンジョン踏破者]

 レベル:1415

 HP:5620/5620 MP:6730/6730

 攻撃力:2110

 防御力:1840

 ユニークスキル:【アイテム作成】【魔法創造】

 魔法:《生活魔法》《火槍》《アイテムボックス(極小)》《豪火球》《投雷》《稲妻雷轟》《紫電一閃》《身体強化》《水刃放射》《泡沫水鞠》《水雲村雨》

 ────────────────────


 ────────────────────

 ソニア・クラーク 17歳 女

 称号:[アルムントのダンジョン踏破者]

 レベル:1420

 HP:14000/14000、MP:6000/6000

 攻撃力:430

 防御力:13500

 ユニークスキル:【難攻不落】

 スキル:《鉄壁 レベル10》《自己標的 レベル10》《状態異常耐性 レベル10》《巨人の盾 レベル10》《守護の心得 レベル10》《状態異常の盾 レベル10》《シールドブレイク レベル7》《魔法の盾 レベル7》

 ────────────────────


 ────────────────────

 称号[アルムントのダンジョン踏破者]

 ランク:C

 効果:防御力+50

 説明:アルムントのダンジョンボスを撃破した者が獲得出来る称号。

 ────────────────────


 [アルムントのダンジョン踏破者]の称号は防御力が50上昇するものだった。

 今までの称号はHPとMPが上昇するものだったため、数値的には大したことないものに思われるかもしれない。


 だが、HPとMP以外のステータス値はレベルアップによる上昇値が少ない。

 ボスを倒しただけで防具が1個もらえたようなものだ。

 やはりランクが上がれば上がるほど、称号の内容は豪華になっていくようだな。

 ソニアはヴォルケーノハウンドが出現する間にスキルポイントを振り当てた。


 今回かなりレベルが上がったため、色々なスキルを取得できたみたいだ。

 まず既存のスキルを10レベルにし、新スキルを獲得。

 《シールドブレイク》は相手の物理防御力を下げる効果。

 《魔法の盾》は魔法攻撃に対する防御スキルのようだ。


 そして《状態異常の盾》というのは、《毒の盾》《麻痺の盾》《睡眠の盾》のスキルレベルを10にしたときにその三つが統合されたようだ。

 現在のスキル構成を見る限り、ソニアはかなり優秀な前衛役と言えるだろう。

 防御、サポート、どちらもこなせるのはソニアの大きな強みだ。

 一方、俺も【魔法創造】と【アイテム作成】で取得できるものを見ていた。


 レベルを無駄遣いせずに有用なものだけを取得していきたい。

 今までは興味が優先されていて、強くなることを最優先にしていなかった。

 でも、それでは駄目だ。

 早く強くなればなるほど、強い魔物を倒せるようになる。


 そうすればかなりのレベルを1日で上げることができるため、色々な魔法を取得出来るようになる。

 俺はその状態に早く達したい。

 だから今はレベルを溜めて、強敵を倒せるだけの魔法を手に入れる。

 《水雲村雨》は強敵を倒すのに有用なスキルであることは、ヴォルケーノハウンド戦で判明した。


 火属性の魔物相手ならばBランクでも一撃で倒すことが出来る。

 そして1500レベルが必要な魔法を取得する。

 そのために1000レベルで取得できる魔法をスルーすることにした。

 ……強そうな魔法が多くて結構気になるんだけどな。

……こちらを更新しない間に、【魔法創造】はKラノベブックスさんから2巻が発売しました。

コミカライズ1巻も発売しているので、是非買ってみてくださいね……。


「コイツ、久しぶりに更新したと思ったら宣伝かよ!」


と、思われた皆様。

実はもう一つ宣伝があります。


ここ最近は他の仕事を一生懸命やっておりました。

それはフルカラーの縦読み漫画の原作・脚本のお仕事です。


株式会社アカツキさんのウェブトゥーンアプリ『HykeComic』にて、フルカラーの縦読み漫画の原作・脚本を【二作品】やらせていただきました!


『禁忌の転生大魔導士』

挿絵(By みてみん)


『異世界陰陽師と十二天将の式神』

挿絵(By みてみん)


(画像は作中のカッコいいコマです)


このように『HykeComic』ではハイクオリティのフルカラー漫画を無料で読むことが出来ます!


リリースタイトルということで、アプリの看板作品になれるように頑張っていきます!

現在『禁忌の転生大魔導士』が全作品中1位で、『異世界陰陽師』が全作品中6位と大好評です。

僕の作品を読んでくれている読者の皆様ならどちらもきっと楽しく読めるはず……!

詳しくは活動報告に載せてあります。


ぜひアプリをインストールして読んでみてくださいね!

(面白かったら『いいね』で応援してくれると嬉しいです!)

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白いです、よい物語をありがとうございます。
[良い点] 普通に面白い!あと、漫画版のマーシャさんかわいい! [一言] (すみません、こちらが本題です) このマンガをたまたま友達が持ってきたので借りて読んでみたら面白くてなろうでないかなぁ〜っと…
[一言] めちゃめちゃ面白かったので続きをもっと読みたかったです
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