白雪姫とお妃
森に囲まれたちいさなちいさなその国には、ひとりのお姫さまがいました。まさに雪のように白い肌と血のように赤い唇に黒檀のような髪をもつそれはそれは美しい少女でした。そんな愛らしいお姫さまは周りの人々から『白雪姫』と呼ばれ、十八歳となった今でも皆に愛されていました。……と、いうわけにはなかなかいかないのが世の中でございます。実は、ひとりほど白雪姫を目の敵にしているお方がおりました。そう。白雪姫の継母――現在のお妃さまです。その日も、食事に橙色の毒を仕込まれた白雪姫は狩人の小屋に逃げ込んでおりました。そんな日常も隣国の王子が訪れたことで一転し――※※※白雪姫とお妃、王さまに加え王子が乱入するほのぼのラブコメ童話。