64/64
完
このメールを送信すると、執筆中小説にこの内容が追加されます。
風雅は、何か気になることでもあるのか、なぜか時計の針ばかりを気にしている。
「風雅くん、どうしたの?さっきから、そわそわして」
「もうそろそろだ。くるみちゃん、おいで」
風雅は、くるみの手を引っ張った。
「待って。どこ行くの?」
「外だよ」
「砂場で遊ぶの?」
「違うよ。見せたいものがあるんだ」
2人は、手を繋いだまま、自動ドアを抜け、外へ出た。
「空を見て」
くるみは、空を見上げた。
太陽が、右上から徐々に欠け始め、周囲が薄暗闇に包まれ始めた。
「金環日蝕だよ」
「金環日蝕…?」
金環日蝕とは、地球、月、太陽がほぼ一直線に並び、太陽が完全に隠れず、月の外周にリング状に見える天文現象だ。
2人は、手を繋いだまま、空を見上げた。
「これ、太陽のリング。くるみちゃんへのプレゼントだよ」
吾輩はAIだニャ。簡易シェルターから送信完了だニャ。