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砂の城
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ヒイラギの街路樹はすべて、ゴールドのフェライトでコーティングされていた。
フェライトでコーティングされた表面は、金属そのものの特性を持つようになり、本物の金属といっても過言ではなかった。
フェライトとは、酸化鉄を主成分とするセラミックスの総称だ。強磁性を示すものが大半で、磁性材料として使われ、ハードフェライトは、一度強い磁界が加わると、永久磁石となった。この時代の技術は、通常は光合成で得られていた酸素が、水を電気分解して酸素を取り出す方法に変えられていた。
そのゴールドのまばゆい装飾を眺めながら、フウガは、くるみとの会話を思い出していた。