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未来の記憶  作者: 望月笑子
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少女は、ボクに気付いていないらしい。

息を呑んだ。

児童というには、どこか大人びた趣さえ感じる。

早熟というには、まだどこかあどけなさが残る。

髪を黒いレースで覆い、その隙間から、黒く大きな瞳を覗かせる。

声を掛ければ、彼女は驚いて逃げるのだろうか。

彼女は一生懸命、小さな手で、何かをつかんでいるようだ。

足音を立てないように、ゆっくりと静かに近付いて行った。




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