36/64
3
このメールを送信すると、執筆中小説にこの内容が追加されます。
「それは、ムダな努力だからだよ」
「ムダな努力…?先生、たとえばですよ。旦那さんが、病気や怪我で働けなくなってしまった場合、女性が、働かなければならないんじゃないんでしょうか」
「そんなことしなくていいんだよ」
「どうしてですか。そしたら、普通に考えて、夫婦共倒れするじゃないですか」
「それでいいんだよ」
「それでいい?先生、それはとてもネガティブな発想です」
「それでいいんだ。誰にも迷惑をかけることもない。神が、それを望んでいるならね」
そこへ、フウガという女性が入って来た。
彼女と入れ替わるようにして、ユウジは、「ちょっと、急用を思い出した」と言って、医務室を出て行った。
くるみは、ワイヤレス・マイクとヘッドホンを外した。