11/64
1
このメールを送信すると、執筆中小説にこの内容が追加されます。
「そういえば、タツヤさんには悩み事ってあります?」
「オレにだって一応、悩みはあるよ」
「何ですか?」
「しいて言えば、くるみちゃんが、オレになびいてくれないことかな…」
そう言いながら、タツヤは、ウォッカを口に含んだ。
「オレも、もう29だし、そろそろ結婚しなくちゃならない年齢かなって」
「そんなことないですよ」
思わずくるみは、顔を赤らめて俯いた。
「そんなことなくないよ。オレの親父も、もうそろそろ退職する歳だしさ」
タツヤの父親は、イーハトーボ製造工場の商品開発部長を任せられていた。
海外に子会社を持つこの超巨大製造工場では、年間8兆円を売り上げる。しかし、世界の通貨は統一されつつあった。
この製造工場では、あらゆるものがネットワークに接続され、そこから情報を取ったり、遠隔監視、遠隔制御、遠隔操作ができる。
それにより、様々な効率化や利便性の向上がはかられるのだ。