3−1 いつも通りの私
05:00
私は、いつものように起きてランニングの準備を始める
少し眠くはあるが、走らないと調子が悪いような気がするのでこの日課を辞めることができない
まだ暗い歩道を走っていると、何人か犬のさんぽをしている人にすれ違う
よくこんな朝早くからと思うが、足を火傷しないように暗いうちからとさんぽしているらしい
不幸くんなら多分追いかけ回されているんだろうなと思いながら走っていると、日課のコースを走り終わる
体幹トレーニングをしたあとにシャワーを浴びる
自分の体を鏡越しに眺めると見事なモデル体型だなぁと自画自賛する
まあここまでやっていて太っていたら泣きたくなるが、胸はもうちょっとほしいと思う
贅沢な悩みかな?
07:30
朝食を取り、学校に向かう
家から近いからという理由で選んだ高校だったが、間違いなかったと思う
通学路には、同じ学校の学生が何人か歩いていて楽しそうに笑っている
私がボッチみたいだなぁと思うが、同じ学年、クラスの子がいないだけなのでセーフだと思っておこう
不幸くんなんて私以外の話し相手を見たことがないし、体育のペアも先生すら嫌がる様子
よく不登校にならないな
と、思うがなんやかんや楽しんでいるのかもしれない
08:00
学校についた
クラスメイトに挨拶をして席に向かうと、珍しくボロボロになっていない不幸くんがいた
珍しいねと声をかけると、いつも何かあるわけじゃないと言われた
そりゃそうだ、不幸くんが不幸になるときは大抵加害者がいるわけで、毎日そんなことが起きていればこの町の事故発生率が、やけに事件に出くわす少年のいる町くらいになってしまう
だけどもしかしたら学校で何かしらある日かもしれない
私には関係ないだろうけど、ちょっと注意して見ておこうか
12:00
午前中は何もなかった
このままなにもないといいけれど
そう思いながら、クラスメイトと一緒に昼食を取る
正直流行り物とか部活の話をされても困るんだけどなぁ
不幸くんと話している方が楽しい
16:15
ほんとに今日はなにもない日だった
クラスメイトは終礼と同時に部活に走っていつも通り不幸くんと私だけが残る
……一緒に帰ってみるかぁ
そう思い声をかける
一緒に帰らない?