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2−4

不幸くんは案外すんなりと喫茶店に入ってくれた


もう少し渋ると思っていただけに、ちょっと複雑な気分だ


店内に入ると、ほぼほぼ女性客が席に座っていたが狼狽える様子も挙動不審にもならずに注文を決める


こういう年頃の男の子ってこういうところに来るともっと反応があるもんじゃないのかな


店員さんに注文を告げながらそんなことを考えていると不幸くんが口を開く


「ファミレスって聞いてたんだけど?」


「ファミレスの定義は家族で来れる簡易的なレストランのことなんだ」


「それで?」


「そして喫茶店の定義は、酒類の提供がなく、軽食を取ることのできる店の事を指すんだよ」


「つまり?」


「このお店は頼めばワインを注文することができるし、定食もあるので実質ファミレス」


「屁理屈だなぁ」


そんなことを不幸くんは言うが、嫌そうな表情はしていない


寧ろ、学校より居心地良さそうにしてるのでは?と思う


実際、不幸くんが頼んだコーヒーを飲んでいる姿を見ると、非常にリラックスしているように思う


というかこんな顔するんだなぁと思っていると、男性が一人で入店する


あ、朝の人だ


彼の方を見ていると、彼も気がついたのかこちらの方に歩いてくる


彼の方から声をかけて来て、私達の前に座る


軽く社交辞令を述べた後に、謝礼を回収して軽く雑談して帰るかなぁと思って、ちらりと不幸くんを見ると、死んで3日くらい経った後の魚の目をしている不幸くんの姿があった


どうしたのかと思っていると、彼の方から答えがでる


…兄弟だったかぁ


助けてくれた女にお礼をしに喫茶店に行ったら弟もいた、なんて面白い状況だよね


兄の方を見ると嬉しそうな、でも少し心配したような顔をしていた


「えーっと弟とはどういう関係で?」


「クラスメイトです。いつも仲良くさせていただいています」


「そうですか、ありがとうございます。弟の体質のことはご存知で?」


「ええ、知っています」


「そうですか…」


と兄の方はなんとも言えない表情になったあと、不幸くんを見て、友達を大事にしなさい。とだけ言って万札を置いて帰っていった


わーお大金だぁと思っていると不幸くんはこっちを見て、なんかごめんといった


まあ私は幸運体質だからねぇ。君と遊べるのは私くらいなもんだから感謝したまえよ


そう言うとありがとうとだけ言ってコーヒーを追加注文していた


その後私達は他愛のない会話をして帰路についた




お釣りはもらった




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