2−3 社交的な幸運さん
騙された
いや、まあホイホイついていった僕が悪いんだろうけど
僕と幸運さんは、最近有名な喫茶店にいた
ファミレスだったのでは?と聞くとファミレスと喫茶店の定義はお酒の有無と軽食オンリーかの違いらしい
つまり、最近は定食もある喫茶店もあるし、お酒を出さないファミレスもあるから≒では?と
詭弁だなぁと思っていると、頼んでいたブレンドコーヒーが来た
幸運さんはアイスカフェオレとチョコレートケーキ、甘くないのだろうか
一口、口に含むと僕は安心する
UOOじゃなくて良かったぁと
何故か喫茶店出だされるUOOのコーヒーは嫌いなのだ
なんかこう、すごいがっかり感がする
ほっと息を吐いてコーヒーを楽しむ
その様子を見てか幸運さんがニヤリと笑う
どうかしたのかと尋ねると、幸せそうだなと
ああ、幸せだ。のんびりとコーヒーを楽しむ時間というのは中々無いし金銭面でもしんどいものがある
出来ればコーヒーを飲み終わるまでは…
「すみません、おまたせ致しました。席に座っても?」
「ええ、どうぞ」
非常に聞いたことのある声とともにその希望は潰えた
一気にテンションが下がっていくのを幸運さんは、可哀想なものを見る目で見てきた
「改めて、お礼申し上げます。財布を届けてくださりありがとう御座いました。こちら私の名刺となっております。何かお困りのことがあればなにか手助けできることがあるやもしれません。それと今回の謝礼です。本当にありがとう御座いました」
「いえ、人として当然のことをしたまでです。寧ろここまでして頂けるのは申し訳無さが勝ってしまいます」
と相手の目を見ながら謝礼の入った封筒を手繰り寄せカバンに入れる幸運さんになんとツッコミを入れればいいのだろうか
「いえいえ、そんなことはありません。大金が入っているのにネコババしようとせずそのまま警察に届けるというのは中々できませんよ…所で話が変わるのですが何故弟がこちらに?」
ニコニコと家にいた頃は見せなかった笑みを浮かべながら話す兄になんと声をかければいいのだろうか