2-2 心配性な不幸くん
退屈な授業が終わり、放課後になった
周りの子達は足早に各々の部活に散っていった
部活に力を入れている学校ではあるけれど、ここまで熱心だとは思ってなかった
教室に残っているのは私と不幸くんだけ
その不幸くんも、もう帰ろうとしている
とりあえず彼を呼び止める
不幸くんは振り向いてどうしたのかと凄く嫌そうな顔をしながら言う
さてどうしたものか、何も考えていなかった
暇だから呼び止めたが、話題はーあった
「今日の朝話した財布の主の事だけどね。これから電話するから待っててもらえないかな」
そう言うと不幸くんは嫌な顔をしたまま頷いた
私はスマホを取り出してもらった連絡先にかける
するとワンコールで繋がり声が聞こえた
どうやらこのあと改めてお礼がしたいからと、喫茶店に呼ばれることになった
その喫茶店のメニューは高校生の私にとっては高く、その分地元でも有名な店だった
不幸くんを連れていけば問題ないだろうし、快く私はその提案を受け入れた
それではまた、と集合時間を聞いたあとそう言い電話を切る
さて、不幸くんにはどう伝えるか、喫茶店というと断られそうだしファミレスとだけ言っておこう
「話がついたわ」
「どうだった?」
どうやら何かを考えていたようで、話が終わったことにも気がついていないようだ
「学校の近くのファミレスに行きましょう。私がおごってあげるわ」
まあファミレスじゃなくて喫茶店だし、奢るのはあの財布の主なのだけど
「つまり、ついてきてほしいと」
「そこは黙って頷いとけば私の好感度があがったのに」
「残念だけど、興味ないんで」
「一応、私は美少女という分類になると思うのだけど」
「変な誤解はしないで。ただ、子供っぽくない口調の女子生徒を恋愛対象にはみれないだけだから」
「ロリコンだったの?」
「そういう意味じゃない!・・・もういいよ。さっさと行こう」
そう言って、不幸くんは先に教室を出る
素直じゃないんだからとからかうように言うと不幸くんは歩くペースを上げた
あ、これ早く追いつかないとバレるやつか
私は急いで彼を追いかけた