2−1 危機感のない幸運さん
授業が終わり放課後になった
いつものように一人で帰ろうとしたところを幸運さんに呼び止められる
どうしたのかと聞くと、どうやら朝話した人に連絡するから待ってほしいという
別に用事もないので了承するとその場でスマホを取り出すと電話を掛け始めた
一応、校内にスマホは持ち込んではいけないことになってるんだけど
まあ、幸運さんのことだからどうにかなるのだろう
最悪でも、なぜか僕のせいになるだけだ
そして、教師も僕が不幸なことはわかっているから何かに巻き込まれたのだと勝手に思ってくれる
理由は簡単だ
僕が持ってくると必ず抜き打ちの持ち物検査が始まるからだ
そして、今日は持ち物検査はなかったから教師も僕のものではないと分かってくれる
最初のころは理不尽な仕打ちも受けたが一か月もすればなんとなく察してくれるようになった
まったく、なんでこんな不幸体質なのか
まさか、日本の普通の家庭に生まれただけで自分の全部の運を使い果たしてしまったとでもいうのか
もう少し年を取れば諦めが付くと思うのだがまだ僕は16歳
現状に不満を持ってもいいと思う
「話がついたわ」
そんなことを考えているとどうやら終わったようだ
「どうだった?」
「学校の近くのファミレスに行きましょう。私がおごってあげるわ」
「つまり、ついてきてほしいと」
「そこは黙って頷いとけば私の好感度があがったのに」
「残念だけど、興味ないんで」
「一応、私は美少女という分類になると思うのだけど」
「変な誤解はしないで。ただ、子供っぽくない口調の女子生徒を恋愛対象にはみれないだけだから」
「ロリコンだったの?」
「そういう意味じゃない!・・・もういいよ。さっさと行こう」
そう言って、先に教室を出ようとすると素直じゃないんだからという声が聞こえた
・・・帰ろうかな
話数を間違えていたので修正しました