拡散されし悲しみ(サツジンキ)
ナツキとの別れから1週間後…
ケイジは、自分と戦闘になった人たちを逃がすことなく殺すことで、強くなっていた…
「…」
ケイジは無言で、「ステータスチェッカー」を開く…
…「ステータスチェッカー」を起動します…
…・・・起動に成功しました…
画面には、ケイジの今の能力値が表示される…
…NAME ; イタノケイジ…
…Player Lv.12…
…タブレットAP106AZ…
…Shot Point ; 3600…
…Status Point ; 0…
…攻4 防3 集中6…
…Now,HP / ALL,HP ; 300/300…
…Now,AP / ALL,AP ; 100/100…
…Offensive power ; 259…
…Defense power ; 272…
…Hit rate ; 93%…
…Weapon Kind ; handgun…
…Abnormality ; Nothing…
…最後の行動(3つ前まで)…
…レベル3プレイヤー撃破…
…レベル4プレイヤー撃破…
…《射撃》レベル5到達…
たくさんの英語や日本語が並ぶ…
『ここで説明をしておくことにしよう…
名前やレベルはいいとして…
左のHPは現在値、右のHPは最大値
APも同じ
Offensive powerは、攻撃力
Defense powerは、防御力
Hit rateは、命中率
Weapon Kindは、装備している武器の種類
Abnormalityは、状態異常』
「…こんなもんだよな」
ケイジが一人呟いていると、後ろで声がした…
「あれ…あいつ、最近の噂になってるやつじゃねぇ?」
「あぁ、あの無差別殺人犯?」
先に話をしたのは男で、後で聞き返したのは女の声だった…
「うん、てかそれが本当だったらさ…俺たちヤバくねぇ?」
「凄くヤバイ…けど、高校生みたいじゃない?何とかやれば逃げられるんじゃ…」
昔のケイジならば、軽く見逃していただろう…
だが、今のケイジは違った…
女が、話し終える前にケイジは声を発する…
「誰だ?」
相手に問いを投げかけるケイジのその右手には、拳銃が握られていた…
「やべぇ!逃げろ…!?」
後ろに逃げようとした男を、ケイジは見事に撃ち抜く…
左胸に風穴を開けられた男は、そのまま逃げようとした方向へ倒れ込み、動かなくなった…
「いやぁぁ!!」
女も後ろに逃げようとしたが、足に向けられたケイジの射撃によって動けなくなった…
「あぁぁぁ!助けて!殺さないで!」
「…お前の名前はなんだ?」
「へっ?わ…私?私の名前は佳澄!上野佳澄!」
カスミは、自分の名前を繰り返しケイジに伝えた…
「端末を見せろ」
「端末?あ、はい!」
ケイジはカスミの「ステータスチェッカー」を開く…
…NAME ; ウエノカスミ…
…Player Lv.1…
…タブレットHP103DAL…
…Shot Point ; 100…
…Status Point ; 3…
…Now,HP / ALL,HP ; 50/50…
…Now,AP / ALL,AP ; 100/100…
…Offensive power ; 20…
…Defense power ; 19…
…Hit rate ; 0%…
…Weapon Kind ; handgun…
…Abnormality ; Nothing…
…最後の行動(3つ前まで)…
…《料理》レベル6到達…
…《工作》レベル5到達…
…《料理》レベル5到達…
「…あの…どうかしたんですか?」
「…カスミだっけ?君、人殺したことないんだね」
「そんなの!あるわけないじゃないですか!」
「“あるわけない”?」
「あっ…でも、人殺しは犯罪だし…その…」
「誰がそんなことを決めつけたんだ?国か?政治家か?そんな奴等はもう居ないんだよ」
「でも犯罪は犯罪です!」
「いいか!この世界で犯罪なのは、人を殺さないオマエらなんだよ!!」
「!?…」
「いい加減に理解しろ!人を殺さなければ自分が殺られるんだよ!!この世界にはな!…もう…神も…仏も…居ないんだよ…!」
「…どうかしたんですか…?何かあったのなら…」
そこで話を止めた…
いや、止めるしかなかったのだ…
ケイジの事を超悪犯罪者だと噂を聞いていたからだ
聞いていたからこそ…
涙を流しているケイジを見て…
カスミは、なにも言えなかったのだ…