新世界での初めての来訪(テキかミカタか)
「だっ…誰?」
ケイジは思わず呟いた…
あまりにも突然すぎたからだ…
女の子もケイジを見て、言葉を漏らした…
「あ…やだ…」
そう言い、何かを握っている右手をケイジの方に向ける…
その手に握られていたのは、拳銃だった…
「何それ?エアーガンか何か?」
ケイジは余裕を見せた…
しかし相手は違った…
「あぁぁ!!」
叫び声をあげながら、拳銃を発射する…
パンッ!
乾いた音が響く…
しかし放たれた弾はケイジに命中せず、近くの木に当たった…
そして、女の子は発砲した反動で顔を歪ませる…
「はぁっ!!?」
ケイジは驚愕した…
同い年であろう女の子の手に握られているのが、本物の拳銃であるなんて…
しかもその銃口は、間違いなくケイジを向いている…
「嘘だろ…」
「あっ…外しちゃった…」
女の子は、弾を外した事により恐怖が少しずつだが生まれてきていた…
「お前…」
「あっ…ごめ…ごめんなさい!」
ケイジはやり返しをしたかったのだが、まずそれ以前のことだった…
ケイジは“銃を持っていない”のだった
「これヤバくね……お?」
考え事をしていたケイジの視界に、光るものが見えた…
それは女の子の立っている位置より少し右…
右上斜め前だったのだ…
「…?…もしかして…あれって…」
「えっ?」
何も気づいていない女の子が反応するより速く、ケイジは悟り、そして動いた…
ケイジは、女の子めがけてダッシュした
「ええっ!?」
咄嗟の事で、女の子は反応できなかった…
ケイジは女の子にこう叫んだ…
「危ない!!“狙われてるぞ!!”」
「へ!?」
女の子が反応したときには、すでにケイジは女の子を腕で抱くようにして、そのまま女の子の右後ろにあった木に身を隠した…
「やめて!殺さないで!」
女の子は必死に抵抗する…
「大丈夫だから!動くな!」
大声で女の子に呼び掛ける…
すると暫くして、観念したように抵抗をやめた…
「はぁ…はぁ…殺す前に私を弄ぶ気ですか…?」
「何もしないから動かないで…」
女の子は目に涙を溜めながら、しかしその涙を流さないように我慢しながら聞いた
「これから何をする気ですか?…私の体を解剖でもする気ですか?」
「そんなことしないよ…俺どんな変態狂人だよ…」
「じゃあどうして、私を木に押さえつけてるんですか?」
仕方なく分かりやすいように、ケイジは説明を始めた
「さっき君の後ろで、太陽の光が何かに反射したんだよ」
「何か…?」
「うん…多分あれは“スコープ”だと思う…」