色々作ってみた
久々の投稿です
長らく執筆が滞り失礼致しました
今後はどうなるかわかりませんが、取り敢えず投稿いたします
とりあえず腹も満たされたし、昨日は気絶して床で寝ていたが、今回はそうも行かないので、また作業で簡易な寝台を作ってみた。
布地は植物の繊維を指定して加工し、肌触りが悪いがとりあえず布と呼べる代物を作り、クッションは大量の草を詰め込んでみた。
とても青臭いベッドの完成である。
室内は明かりもなく暗いので、窓から光を取り込んで何とか制作していた。
しかし、月明かりがなければ真っ暗だっただろうな。
ランプを制作して見ようかな。
問題は燃料と、点火方法だな。
素材のガラスは一応採取できたので、あるが油と火種は直接採取できなかったので、加工からどうにかできないか考えてみる。
とりあえず火起こしは後にして、今日は寝ることにする。
翌日、早速ランプの制作に取り掛かったが、やはり油が問題だった。
油を採るには主に植物性由来のものと、化石燃料の二種類がある。
植物なら、胡麻・菜種などが昔から使われている。
化石燃料は石油と、石炭を加工して作るものなどだ。
しかし、この場所にはそのどちらも存在しない。
菜種と胡麻は、栽培するにも時間が掛かるし、こうなると別の手段が必要になってくる。
う~ん、あぶらあぶら…まてよ?
ふと考えていると、戦時中の石油不足の折に使われた、ある方法を思い出した。
早速その方法を試すために、カード化したアイテム欄を覗いてみる。
あるかなぁ~。お、あった!
見つけたのは針葉樹のカードだ。
簡単に言ってしまえば松だ。
よし、加工!抽出!
早速加工の工程から抽出を選んで素材の成分を抽出する。
すると、テレピン油が生成された。
戦時中石油不足に陥った日本で盛んに作られた松根油と言うものがある。
機械製品に使用するには色々加工しないと使用できないものだが、ランプの燃料にする分には問題無いだろう。
燃料はこれでよしと。
本体は、ガラスと少量の鉄で簡単に作り、芯は植物の繊維で制作した。
そして、最大の難関が待っていたのだ。
それは、火種だ。
現代なら、ライターで一発なのだろうが、この世界にはコンビニもタバコ屋もない。
ランプが完成してもそれを着火する物が無いのだ。
さてどうするか…。
正直、火種まで考えていなかった。
仕方ない、ここは大雑把だけど、あの方法でやるか。
植物の繊維で布を作り、そこに先ほど作った松根油を浸す。
そして、ガラスで大きなレンズを制作して、地味に火おこしを開始した。
数分間待っていると、布全体が「ボッ!」という音と共に発火して、とりあえず火種ができたのだった。
ふぅ~、とりあえずランプの油を絶やさなければ火種は持つだろうし、今度マッチでも制作してみようかな?
しかしマッチの作り方がわからない…。
すると、視界の端にあるアイコンが点滅し始めた。
何かと思って注目していると、突然目の前にマッチに関する情報が表示された。
おぉ~、これは便利だ。
ネットで情報を検索しているのとは少し違うけど、電子辞書で検索したように詳細なデーターが表示されるのが嬉しい。
ふむふむ、マッチの制作には火薬の原料の硝石・硫黄・炭素が必要で、更に赤リンも必要なのか。
どれも手元に無いので、どこかから持ってくるしか無い。
しばらく、マッチの制作計画はおあずけに成りそうだ。
よし、それなら付近の探索でもするかな。探索といっても森の中を歩きまわるのは面倒なので、ちょっと工夫を。
まず、ログハウスを中心にマップ表示をして、地面にタッチしてカード化の指示をする。すると半径数キロにもなる範囲の森がポッカリと消滅して、地形が顕になった。これなら一々ちまちま地形探索する必要なんて無いからな。
こうして、大量の資材を手に入れたわけだが、使い道が無い。
一応チート技術で材料があればできるみたいだけど、材料集めが大変だ。マッチを作るにしても複数の資源が必要で、それを集めるためにどれだけの労力が必要なのかめまいがする。
とりあえず、さっきのでマッチが作れるぐらいの資源は集まったけど、勿体無いので資源は温存して、付近の更地にした地形を改造してみるかな。
まずは地形を平坦化して、雨水が溜まらないように付近より若干高めの丘のようにして、野生動物が侵入しにくいように堀で囲む。堀を作る時に出た土で内側に土手を作り、万が一に備えて、丸太で柵のようなものを建てる。それだけだと出入りできないからログハウスを中心に4方向に道を造って、4つの門と堀を渡る跳ね上げ橋を設置して終了っと。
とりあえず、これで危険な野生動物や魔物(居るのか不明)から見を守れるだろう。ログハウスから塀までは数キロもあるし、草一本も無い平原に何か居ればすぐにわかるからな。あと、ついでだからと、堀と魚を採った三日月湖近くの川を水路で繋いで、堀を水濠にしておいた。冬場凍るほど寒い地方だとこの方法はあまり有用では無いのだけれど、とりあえずやってみたかったのだ。
さて、最低限の食料の確保と明かりと危険を排除できたら暇になったので、畑を増やしておいた。品種改良の能力で生育が異常に早い作物や、ヤシの実そっくりな植物で、その身の中に白米と言う、珍妙な植物も実験的に作ってみた。某猫型ロボットが出てくる国民的なアニメの映画で似たような道具があったが、あちらは完成した料理が入っていた。
カツ丼とかできればよかったのだが…。
あれは流石に再現できそうにない。こちらの中身は生の白米だから、あれができたら最高だろうが。
育成までに時間が掛かるが、やっぱりお米が無いと、ご飯じゃない!!
そんな、切実な願いで作ってみたけど、自然界の法則を明らかに無視した品種改良だからちょっと心配だ。何事も無ければよいのだが。
なんだかんだで、もう昼過ぎになりそうなので、そろそろ昼食にしようとカード化したアイテムを整理していると、ふと見慣れないカードが出てきた。
『獣人』
顔や体全体を覆う毛皮が明らかにケモノの証であるのに対して、体の骨格は極めて人間に近い。
カードの説明には
獣人(狼種)
性別雄
年齢25
『森林を生息場所とする獣人。知性は人間と同程度。言語を理解し独自の文化を築き生活している。』
とある。
これってもしかして原住民かな?
知らないうちにカード化してたけど、これはまずい。
何時カード化したかわからないが昨日カード化したのならもしかしたら仲間が探しているかもしれない。
その時に、ここが発見されたら武器も何も無い俺は無防備なまま原住民と会うことになる。
それだけは避けなければならない。丸腰は流石に怖い。
なにせ相手は獣人だし、もしかしたら人間を食うかもしれないし。
兎に角まずこのカードの彼を何とかしないとまずいな。
そんなわけでカードをだして実体化してみたのだが…。
案の定トラブってしまった。
「何者だ!!」
彼は突然現れた俺(本当は相手が突然カードにされて、いきなり戻されたので彼のほうが出て来たのだが)に対して唸るように威嚇してくるのだった。
お読みいただき、ありがとうございました
2015年7月11日一部感想より指摘がありましたので、わかりやすいように訂正致しました。