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雀(すずめ)-Ⅱ-
死体はゴミ袋の山にもたれかかるようにして横たわっている。
四十半ばあたりの中年の男。
白目を剥いて、醜く顔をゆがめている。
顔は瓜のように青白い。
横腹からのぞいているのはナイフの柄。
そこからは赤黒い液体がどろどろと流れ出ていた。
まず間違いなく死んでいる。
死臭と現状への苛立ちで頬が引きつってしまう。
何だってんだ、一体。
サイレンの音が大きくなる。
こころなし、景色が赤みを増したように感じる。
今にもサツの連中がやってきそうで、焦りばかりが募る。
ああ、もう!