ス〇バみたいな冒険者ギルド
この町の冒険者ギルドのクエスト名は、異様に長い。
ギルド職員の僕ですら困惑するほどだ。ギルマス(女)に問いただすと、ネイルを塗りながら「あら、だって殺風景じゃない?普通の名前だと。味気ないのよねえ」と平然と言う。
「いやいや、ただの依頼書に趣を求めなくていいんですよ。しかもピンクとかブルーとか紙がカラフルだし、なんか美味しそうな甘い香りまでするんですけど」
「ああ、それはエクストラ チョコバニラよ」
「なんて?」
この冒険者ギルドに就職してしまった自分の判断を悔やまずにはいられない。しかし、どういうわけかギルドは大繁盛だ。男の冒険者に限らず、女冒険者も随分と増えた。それは喜ばしいことだが、いちいちクエスト名を復唱するのを義務付けられているので僕の仕事も増えていく。
「えっと…、ビーストロードエリア ボディーガードミッション クラシックリズム フレグランス ローストコーヒー」
お次は、
「ダークエンジェルズプレイス ベリーチャーミングゴーストメタルアタック カジュアルテイスト エクストラキャラメルソース エクストラダブルホイップですね」
なんだこりゃ
さらに困ったことが起きている。違う街から依頼を受けてやって来たエヴァンさんのことだ。
顔面クオリティが高すぎる極上のイケメンでありながら、冒険者の最高峰であるSランク、レジェンドクラスの実力者だ。
それがなぜか常連客になった。ますます女冒険者が増えた。
受付内では女性職員たちがエヴァンさんの対応を巡って争奪戦を繰り広げているというのに、わざわざ僕のところに来て真顔で言う。
「ビューティフルアンドギルティ マイ スウィートプリンセス メロメロハート ギュンギュンギュン フォーエバーラブ テイクアウトで」
そんなクエストありませんから真面目に仕事してください。
おわり




