自分探しの香りトラベラー
最終エピソード掲載日:2026/10/18
「香水は、自分をごまかす匂いだと思う」
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会社で中間管理職に就き、出張を繰り返す生田(いくた)。
そんな生田にはお気に入りの香水があり、出社前に必ず一噴きしていた。
この匂いをかげば頑張れる――そう思っていたからだ。
しかし出張先で、部下に「くさい」と陰口を言われる。
今まで自分を奮い立たせてきた香水の存在を非難されるも、生田は知らぬ存ぜぬ、何食わぬ顔でやり過ごす。
しかし翌朝、いつもと同じように香水をつけることはできなかった。
意気消沈しながら次の出張先に向かうと、商店街があった。
昨夜から飲まず食わずの生田は、温かな珈琲とパンを購入。
その匂いが、香水という鎧をまとい続ける彼女の心を、優しくほぐしていく。
美味しいご飯の匂いを嗅ぐこと。
それは本来の自分を取り戻す、自分探しの旅の始まりだった――