表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
UN-001  作者: 黴男
序章-『ఆశ్చర్యం』
7/44

007-栄養配分

「ふぅん、そんなことがあったのね」

「はい」


僕は帰って、レイシェさんに報告をした。

地球人との接触が何か問題になるかもしれない、と思ったからだ。


「まぁ、危害を加える事態にならなければいいわ」

「えっ?」

「それとも、罰してほしいかしら?」

「...いいえ」


僕は首を横に振った。

アディブ人の罰は、相当厳しそうだし....


「そして、アナタの名前を仮で考えてほしい、だったかしら?」

「はい」

「養子になったら、本物の名前を考えてあげるから......そうね、今は.......」

「...........」


どんな名前になるのか、僕は少しだけ身構えた。

ヘンな名前だったらどうしよう.....?


「クルス、でどうかしら?」

「.....はい、それがいいです」

「良かった、アタシは昔から名づけのセンスがないって言われてたのよ」


オホホホと笑うレイシェさんを見て、僕はちょっとだけ不安になる。

クルスは、僕の感覚では良い名前ってだけで、実際は違うんじゃ.....


「それから.....これから何をするか教えてほしいのよね?」

「はい」

「そうねぇ.....アタシがアナタの身分を作ってあげるまでは、ここで働いてもらうしかないわね」

「はいっ」


僕は頷く。


「とは言っても、アナタは幼体だから.....」

「幼体?」


僕の身体は3mくらいで、横幅もかなり大きい。

これでもまだ、幼体なのかな?


「ええ、教えてなかったかしら?」

「はい」

「アディブ人はね、食事で得られる栄養の配分を自分で変えられるのよ」

「じゃあ......」

「そう、やりたい事があるなら、それに合わせて体の部位を成長させたり、取り込んだ他生物の部位を自分につけ足したりできるわ」

「だから......」

「そうよ、ジガスとロームの腕が大きいのは、警備のために筋力を増大させたのよ」

「レイシェさんは....?」

「アタシ? アタシは演算に困らないように、脳に割り振ったわ」


だから戦闘タイプではないのだけれど.....とレイシェさんは呟いた。


「あなたはちょっと特殊なのよね.....」

「特殊?」

「あなたの身体は、バランスよく割り振られた状態の幼体のようなものだわ。それに.....成長するスピードは変わらないけれど、通常より大分成長量が大きいみたいね。だから、同じ幼体相手であればあなたの方が強いでしょうね」

「そうですか.......」

「もっとも、地球に来ているのは大体、数十年から数百年生きてる人だから、あなたじゃ勝つのはまだ無理ね」

「そうですか......」

「何に進みたいか決まらないうちは、心臓と骨髄を強くするといいわよ」

「はいっ!」


心臓が強くなれば、戦う時に疲れにくくなって、骨髄が強くなると血を作れる速度が速くなって、自己再生を速めたり、失血によるパワーの低下を抑えられるそうだ。


「筋力を高めたりするのは、ある程度心臓を強くしてからの方がいいわ。すぐにエネルギー切れを起こしてしまうから」

「分かりました」


僕は頷いた。

配分を変えるのは簡単で、寝るときにそれを考えながら眠りにつけばいいらしい。


「さぁ、食事にしましょう。食べるものを食べないと、成長もできないわ」

「はい!」


お腹が空いてきた僕は、その提案に力強く頷いた。


↓小説家になろう 勝手にランキング投票お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ